ダウンストリームmAbプロセスからのウイルス除去
モノクローナル抗体(mAb)製造のダウンストリームプロセスでは、除去または不活性化によってウイルスレベルを低減させます。いずれの技術でも、バイオ医薬品メーカーはウイルスの安全性評価過程の一環として、ダウンストリームの各ステップでそのクリアランス能力を実証しなければなりません。一般にダウンストリームプロセスには以下が含まれます。
- クロマトグラフィー – アフィニティー、電荷、または疎水性によるウイルスクリアランス
- 化学処理 – 不活性化によるウイルスの低減
- ろ過 – サイズエクスクルージョンによるウイルス除去は、ほとんどのダウンストリームプロセスのウイルス安全性にとって重要なステップです。
- 有効性の実証
関連資料
- バイオプロセシングにおけるウイルス安全性には、(1)汚染の防止、(2)汚染の検出、(3)ウイルス性の汚染物質の除去あるいは不活性化の枠組みの上に成り立っています。
- 迅速モノクローナル抗体 開発プログラムは、トランスフェクションから9ヶ月でGMP原薬を提供します。メルクは、迅速でコスト効率が高く、お客様のプログラムの臨床フェーズ初期に適するとともに、プログラム全体をとおして規制関連サポートを提供するmAbExpress™プログラムを設計しました。
- Continued process verification is critical to maintain the strength, quality, and purity of the final drug product. It is a regulatory expectation as manufacturers are instructed to ensure their process remains in a continual state of control. Learn more in this technical article.
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クロマトグラフィー
ウイルスクリアランスの目標値を達成するため、多くのダウンストリームプロセスには少なくとも2種類のクロマトグラフィー作業が含まれます。一般的なソリューションはプロテインAで、続いてイオン交換クロマトグラフィー(IEX)です。IEXは、抗体の凝集体レベルを低減させるカチオン交換クロマトグラフィー(CEX)と、残留する宿主細胞タンパク質およびDNAを除去するアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)で構成されます。選択した条件下で、CEXとAEXの両方がウイルスの安全性に寄与します。
化学処理
ウイルスの不活性化に用いる試薬は、他の原材料と同じ高い品質水準を満たす必要があります。選択した試薬は、プロセスの信頼性を保証するため、一貫した高い純度としてGMP基準(国際医薬品添加剤協会-医薬品品質グループ[IPEC-PQG]による医薬品添加物に関する2006年GMPガイドに基づく)を遵守して製造または精製されたものであるべきです。包括的な試験および文書のパッケージが添付された試薬により、規制適合のプロセスが簡単になります。
ろ過
一般にろ過によるウイルスの除去はサイズに基づきます。ほとんどのmAb製造プロセスでは、ろ過によって、高レベルのエンベロープウイルスおよび非エンベロープウイルスの両方を捕捉できます。ウイルスろ過はウイルスクリアランスの堅牢なステップとみなされており、プロセスの条件に比較的左右されません。しかし、タンパク質凝集物およびその他微量の目詰まり原因となるものの存在は、ウイルスフィルターのスループット性能に悪影響を与え、結果的に必要となるろ過面積が増大します。ろ過効率を上げるには、目詰まり原因を除去するプレろ過ステップを取り入れるとよいでしょう。これによって、ウイルスフィルターの性能および流れが改善し、全体的なろ過コストも削減されます。
有効性の実証
バイオ医薬品メーカーは、そのダウンストリームの製造プロセスを評価して、選択した単位作業が汚染物質となりうるものを不活性化または除去できているかどうかを見極めることを要求されます。こうしたクリアランス試験の結果が、新薬臨床試験開始届(IND) の申請で規制当局によって求められます。これら当局による期待を理解することが、クリアランス試験の設計の重要な要素となり、ウイルスの安全性に関するメーカーの全体的戦略を示すこととなるのです。
関連技術資料
クロマトグラフィー
ウェビナー:イオン交換クロマトグラフィー: How to Get the Most Out of Your mAb Process
技術資料:Viral Clearance in Antibody Purification Using Tentacle Ion Exchangers
ポスター:Virus Clearance Using Eshmuno® HCX Multi-mode Cation Exchange Resin
ポスター:ダウンストリーム精製ポートフォリオにおける効率的なウイルスクリアランス
ろ過
ウェビナー:QBD for downstream virus filtration
技術資料:Impact of Process Interruption on Virus Retention of Small-virus Filters
ウェビナー:Parvovirus-retentive Filter Performance and Removal Mechanisms During Process Interruptions
ウェビナー:Viresolve® Pro によるウイルスクリアランス: Prefiltration Strategies for Optimizing Performance
ポスター:プレフィルトレーションとプロセスの改善: Enhancing Virus Filter Performance with the Use of Adsorptive Depth or Surface Modified Prefilters
カタログ:ウイルスクリアランスフィルターのサイジングのためのVmax™試験
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