H107

(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン

powder

• 別名: 2-hydroxypropylether, Beta-cyclodextrin
• CAS番号: 128446-35-5
• EC Number: 420-920-1
• UNSPSCコード: 12352201
• PubChem Substance ID: 24895425
• NACRES: NA.77

特性

• 由来生物: synthetic (organic)
• アッセイ: ≥98% (TLC)
• フォーム: powder
• 分子量: estimated mol wt ~1396 Da
• 溶解性: H₂O: soluble
• 保管温度: room temp
• SMILES記法: CC(O)COCC1OC2OC3C(COCC(C)O)OC(OC4C(COCC(C)O)OC(OC5C(COCC(C)O)OC(OC6C(COCC(C)O)OC(OC7C(COCC(C)O)OC(OC8C(COCC(C)O)OC(OC1C(OCC(C)O)C2OCC(C)O)C(OCC(C)O)C8OCC(C)O)C(OCC(C)O)C7OCC(C)O)C(OCC(C)O)C6OCC(C)O)C(OCC(C)O)C5OCC(C)O)C(OCC(C)O)C4OCC(C)O)C(OCC(C)O)C3OCC(C)O
• InChI: 1S/C63H112O42/c1-22(64)8-85-15-29-50-36(71)43(78)57(92-29)100-51-30(16-86-9-23(2)65)94-59(45(80)38(51)73)102-53-32(18-88-11-25(4)67)96-61(47(82)40(53)75)104-55-34(20-90-13-27(6)69)98-63(49(84)42(55)77)105-56-35(21-91-14-28(7)70)97-62(48(83)41(56)76)103-54-33(19-89-12-26(5)68)95-60(46(81)39(54)74)101-52-31(17-87-10-24(3)66)93-58(99-50)44(79)37(52)72/h22-84H,8-21H2,1-7H3/t22?,23?,24?,25?,26?,27?,28?,29-,30-,31?,32?,33?,34?,35?,36?,37-,38?,39-,40+,41+,42+,43?,44+,45?,46+,47+,48+,49+,50+,51+,52-,53-,54-,55-,56-,57+,58-,59+,60-,61-,62-,63-/m1/s1
• InChI Key: ODLHGICHYURWBS-RYJYQAAZSA-N

詳細

詳細

シクロデキストリンは、グルコピラノース6分子、7分子、または8分子からなる環状オリゴ糖で、通常それぞれα-、β-、γ-シクロデキストリンと呼ばれます。これらの化合物は強固なドーナツ型の構造をしており、天然の錯体形成剤になります。特有な構造を持つこれらの化合物が安定しているのは、分子内で隣接するグルコピラノース分子のC2-、C3-ヒドロキシル基の水素結合によります。本分子は円環型をしており、大型の開口部の周囲にC2-、C3-ヒドロキシル基が位置し、小型の開口部の周囲にさらに反応性の高いC6-ヒドロキシル基が位置します。水素結合のC2-、C3-ヒドロキシル基の反対側にC6-ヒドロキシル基が配置されているため、酸素結合が空洞内で近接し、内部が電子に富む疎水性となります。この疎水性の空洞の大きさは、シクロデキストリンを形成するグルコピラノース分子の数により決まります。

天然のシクロデキストリンは、極めて溶解性の低い物質です。1960年代後期、2位、3位、6位のヒドロキシル基を化学的に置き換えると、溶解性が大幅に上昇することが発見されました。化学的に修飾したシクロデキストリンのほとんどは、濃度50%(w/v)まで水への溶解が可能です。

錯体形成にどのシクロデキストリンを使用するかは、空洞の大きさにより左右されます。β-シクロデキストリンまたはβ-グルコピラノース分子化合物は、ホルモンやビタミンのほか、これらと同様の大きさを持つ組織や細胞培養用途に頻用される多くの化合物分子に使用に適した空洞径を有しています。このため、β-シクロデキストリンは、複合体形成剤として最も多く使用されます。

平均置換度は、グルコースユニット 1 個あたり 2-ヒドロキシプロピル（C3H7O）0.5 ～ 1.3 ユニットです

アプリケーション

ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HBC)は親油性の薬物と錯体を形成するため、水溶液中の親油性薬物の溶解度はHBCの濃度に比例して増大します。薬物はHBCの非極性のキャビティとの間にゲスト‐ホスト型錯体を形成し、その結果、溶解度が増大します。溶液を凍結させると可溶性の粉末になります。ウサギとマウスに対して毒性を示しません。

（2-ヒドロキシプロピル）-β-シクロデキストリンは、以下に使用されています：

• コレステロールの恒常性維持における影響を調べる研究
• マウスにおけるキンドリングの進行および海馬電気記録解析
• マウスにおけるプレパルス阻害（PPI）の改善

安全性情報

• 保管分類コード: 11 - Combustible Solids
• WGK: WGK 3
• 引火点(°F): Not applicable
• 引火点(℃): Not applicable
• 個人用保護具 (PPE): Eyeshields, Gloves, type N95 (US)