金ナノロッドの合成:その注意点と対処法
Brantley C. Henson, Justin T. Harris, Kimberly A. Homan
NanoHybrids Inc.
Material Matters, 2017, 12.1
はじめに
プラズモンナノ粒子の独特な光学的性質は、バイオテクノロジー1-8やエレクトロニクス9-16産業のさまざまな用途に合わせて調節することができます。金ナノロッド(図1)はプラズモンナノ粒子の一種であり、近赤外(NIR:near infrared)領域の吸収波長が調節可能で、生物学的に不活性であることから、生物医学用途で関心を集めています17-20。金ナノロッドの合成法は、テンプレート法21-25、電気化学的成長法26-28、逆ミセル法29-30など多数存在しますが、本稿ではシード媒介コロイド成長法を中心に説明します。金ナノロッドのシード媒介コロイド成長法として様々な方法が多数報告されていますが29,31-38、ここではNikoobakhtやMurphyらが開発した方法31,39を用いています。シード媒介コロイド成長法には上記の方法と比較して多くの利点があり41、特殊な装置は不要で、スケールアップも容易に行えます(最終的な臨床応用の際に必要となります)43-44。これら手法は十分に理解されているものの、反応条件のわずかな変化に強く影響されるため、バッチ間でロッドのサイズ、形状、純度、アスペクト比を十分に制御できない場合があります19,33,36-37,44-50。本レビューでは、シード媒介金ナノロッド合成法を概説し、よくある落とし穴とその最善の回避方法について詳しく論じます。
図1典型的な金ナノロッドのTEM画像
合成
基本的な合成はNikoobakhtやMurphyの研究に従って行いました31,37,39,51-52。これら文献では反応条件について詳細に報告されています。簡潔に説明すると、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB:cetyltrimethylammonium bromide)、水、硝酸銀(AgNO3)、塩化金酸(HAuCl4)からなる成長溶液を調製します。より大きなアスペクト比を得るために複数の界面活性剤を使用した系が必要な場合、通常は塩化ベンジルジメチルアンモニウム(BDAC:benzyldimethylammonium chloride)を追加しますが、オレイン酸ナトリウムなどの他の界面活性剤の使用も報告されています46,53。次に、アスコルビン酸を加えて、Au3+をAu1+に還元します。金の還元をより進めるためのテンプレートとするため、微小な金ナノ粒子シードを溶液に加えます。このシードは、CTABまたはクエン酸溶液中で水素化ホウ素ナトリウムを使用してHAuCl4を急速に還元することで合成されます。シードの添加により、Au1+がさらに還元されて金属Au0になり、同時に、界面活性剤とAgが金の{110}面に優先的に堆積して成長を阻害することで対称性を破る役割を果たし54、{001}面に平行な成長が促進されて異方性を有する金ナノロッドが得られます31。
金ナノロッドの合成における6つの注意点
合成前の十分な準備の重要性(1)
全体の濃度や不純物、核生成サイトのわずかな調節で、粒子のサイズ、形状、純度が著しく変化するため、再現性が問題になります。したがって、再現性良く金ナノロッドの合成を行うには、適切で一貫した準備と実験技術が非常に重要になります。まず、均一な成長のためには、核生成サイトの十分な制御が必要です。ほとんどの金属ナノ粒子の合成に共通する要件として、すべてのガラス器具および撹拌子は、残留金属の除去のために王水で徹底的に洗浄しなければなりません55。金属の残留により、成長溶液中で望ましくない核生成が先に起こり、合成の制御が不可能になります。ガラス器具の洗浄を含むすべての合成プロセスにおいて、18.2 MΩ・cm ASTM Type I の水(一般にDIUF(deionized ultrafiltrated)水または「Nanopure™」水)を使用する必要があります。同様に、実験室は清浄に保ち、ほこりは最小限に抑えなければなりません。
実験室間または研究者間の結果のばらつきを引き起こすもう1つの要因は試薬の調製です。同じ供給元から購入した場合でも、ロット間の不純物のわずかな差がナノロッド合成の最終生成物に影響を与えることがあります。例えば、Korgelらはナノロッド合成に使用するCTABの供給元の影響を報告しています33。興味深いことに、高品質ナノロッドの作製にCTAB中の微量不純物、特にヨウ素が実際には必要であることが示唆されています56。同様に、NanoHybrids社では、塩化金酸の供給元を変更すると、得られるロッドの全体的なサイズや長軸方向の表面プラズモン共鳴(LSPR:longitudinal surface plasmon resonance)に影響が出る場合があることを確認しています。これらの理由から、すべての合成において試薬に関する情報を記録、追跡する必要があります。試薬のロットや供給元を変更するときは常に、試験的な反応をまず行い、その後のサイズや形状の調節のための新しいベースラインを定める必要があります。さらに、試薬の経年変化や保管条件などにも注意が必要です。反応を容易にし、計量誤差を最小限に抑えるため、多くの研究グループでは反応物の保存溶液(原液)を調製しています。Murphyらは最近の研究で38、硝酸銀とアスコルビン酸の溶液は光分解の影響のため、使用直前に調製するのが最善の方法であることを示しています。同様に、CTAB溶液の経年変化も最終生成物に影響を与えることが示されています38。研究室で行う反応の質と規模に応じて、これら影響が問題になる場合もあれば、速度論的制御の向上に利用できる可能性もあります。どのような状況であっても、正確な記録が非常に大切になります。
ロッドの凝集:ロッドの不安定性(2)
合成の際にもっともよく起こる問題の1つが、ナノ粒子の凝集です。凝集がいつ起こるのかを理解することは、凝集を防ぐ方法を見出すことと同じく重要です。NIRスペクトルに吸収を持つナノロッドの凝集は、紫外可視(UV/Vis)分光法で容易に検出できます。凝集を示す主な兆候は吸収スペクトルの「ショルダー」にあります。図2Aに代表的な「良い」スペクトルを示します。注目すべきは、LSPRピークと短軸方向の表面プラズモン共鳴(TSPR:transverse surface plasmon resonance)ピークの比(図2AのL/T)が大きく、LSPRピークが狭く、対称形である点です。図2Bは、若干の凝集が起きている場合を示しています。LSPRバンドの対称性が崩れ、右側に金ナノロッドの凝集に起因する歪みが現れています。図2Cは、2種類の界面活性剤(CTAB + BDAC)を使用した系で作製した粒子のスペクトルです。図2Bほど明確ではないものの、LSPRバンドが非対称で、半値全幅(FWHM:full width half maximum)が増加していることから、サイズやアスペクト比の多分散性が高い、もしくは凝集が若干起きているなどの合成上の問題が示唆されます。これら現象は、2種類の界面活性剤を使用した(dual-surfactant)反応に固有の問題ではないため、反応の失敗を示す指標となります。また、図2CのTSPRバンド(BDAC Trans Peak)の形にも注目してください。新たに現れている小さなショルダーは、金ナノロッド自体の形状のわずかな差異や、関連する不純物(キューブ vs. 球状)によるものです。高い対称性を持つ幅の狭いLSPRバンドを示す「良い」dual-surfactant反応の場合であっても、このようなTSPRバンドの変動が予想されます。図2Dに示した形状の異なる不純物(球とキューブ)を大量に含むナノロッドのスペクトルについては、4つ目の注意点の項で説明します。最後に、凝集が激しい場合は、粒子の沈殿や、図2Eに示すような赤からダークグレーまたは紫色といった色調の変化によって容易に確認できます。
図2規格化したUV/Visスペクトルを用いたナノロッドの凝集および異なる形状の粒子の確認。A)1種類の界面活性剤(CTAB)を用いて合成した金ナノロッドの理想的なスペクトル。LSPR/TSPRのピーク比(L/T)が高く、LSPRピークが狭く対称性を持っています。B)凝集を示す「ショルダー」があるスペクトル。C)2種類の界面活性剤(CTABおよびBDAC)で合成された粒子のスペクトルが示す短軸方向のピーク形状。LSPRピークは幅が広く非対称で、サイズ分布が広いことを示唆しています。D)形状の異なる「不純物」粒子を大量に含むナノロッドのスペクトル。E)合成後そのまま(as-synthesized、1)および凝集した(2)金ナノロッド分散液の写真。
合成が複雑なため、凝集の根本的な原因を簡単に突き止めることができない場合もしばしばあります。新しい試薬に含まれる想定外の不純物、試薬の経年変化、試薬の組み合わせの不適合、不純物の混入、不適切な生成物の精製(後述します)といった要因のすべてが、問題の原因になる可能性があります。これら問題を緩和し、全体的な合成の一貫性を維持するためには、小規模のパイロット試験(20~30 mLの反応)を毎月または年4回、定期的に実施することにより試薬の品質を確認し、汚染や劣化の原因を特定することが推奨されます。注意が必要な点として、小規模試験は、ある試験項目の検証や前回の試験結果と比較した再現性の確認のために行われますが、正確には、より規模の大きな反応では吸収ピーク位置が移動することがよくあり、特にLSPRピークが低くなることが予想されます。さらに、実際に得られるピークは容器のサイズ、形状、回転数、加熱効率にも依存します。そのため、一定のLSPR波長を得るためには、ガラス容器や実験手順を新しくするたびに予想されるLSPRピークシフトを確認する必要があります。
アスペクト比の制御不足(3)
金ナノロッドの特性の1つは、アスペクト比(ナノロッドの長さと幅/直径の比として定義)を変えるだけで、吸収ピークを可視から赤外領域の範囲で調節できる点にあります。標準的なシード媒介成長法において、アスペクト比を変えるには、熱力学的に有利な対称的な成長を妨げ、ある一つの軸に沿った成長が必要です。この目的で、金ナノロッドを伸長させるための信頼性の高い方法が硝酸銀の使用です31。図3Aに示すように、硝酸銀濃度を増加させるとアスペクト比および対応するLSPRが増加しますが、この方法が有効なのは約850 nmまでです。アスペクト比を4.5以上またはLSPR波長を850 nm以上にするために、Nikoobahktは、2種類の界面活性剤を使用する系においてBDACとCTABの比を変えることで、アスペクト比が最大で10のナノロッドが得られることを示しました(図3B)31。Murphyらの報告によると、成長溶液を多段階でシード溶液に添加することでアスペクト比を70まで上げることも可能です57。PérezとMarzanらは、シード量の増加によりアスペクト比が減少することを示しています58。いずれの方法を選択した場合でも、合成系における複数の変数が相互に影響しているため、反応物濃度の厳密な制御が重要になると同時に、広範囲の高品質金ナノロッドを合成することが可能になります(図3D)。誤差を最小限に抑え、一貫した結果を得るためには、典型的な体積測定法(ピペッティングなど)ではなく、溶媒を含めたすべての反応物の質量を正確に測定することが推奨されます。
また、金ナノロッドに関する合成では、ナノロッドのアスペクト比が時間経過とともに減少し、LSPRピークが短波長側にシフトする点を常に考慮する必要があります。このブルーシフトは、鋭いエッジ部分が丸みを帯び、より熱力学的に安定になることによるオストワルド熟成の結果と考えられます42。したがって、粒子を水溶液中で熱処理することでこのオストワルド熟成を人為的に加速し、アスペクト比を下げることができます(図3C)。
図3金ナノロッドのアスペクト比の制御。A)ナノロッドのアスペクト比および得られる光学的性質に対する合成時の硝酸銀濃度の影響。(1~5)同一の成長溶液に加える硝酸銀溶液(4 mM、50~300 μL)を増加させた場合のスペクトル31。B)界面活性剤を1種類(1)および2種類(2)使用した場合の金ナノロッド合成に与える影響31。C)金ナノロッド水溶液を加熱した場合のLSPRピーク(黒点)およびTSPRピーク(白点)42。D)前述した合成条件の調節を行って合成した一連のナノロッドのスペクトル。
形状の制御不足(4)
どのようなナノロッドの合成においても、形状の異なる粒子が不純物として混入することは避けられません。しかし、これら不純物を管理し最小限に抑えることは可能です。図2Dは、形状の純度が低いナノロッドのスペクトルを示しています。この反応で生成した不要な球状粒子は510~525 nmに強い吸収を持ち、見かけのTSPRピークが増加することから、LSPR/TSPR比が全体的な形状の純度を示す良い指標になります。この比が3.5以上であれば、形状の純度がおよそ90%である「良品」であることを示します59-60。大量の不純物が観測された場合、たとえば、調製後時間の経った反応試薬の利用、使用したAgNO3量が不十分、反応温度が過剰に高い、使用したBDAC/CTABの比率が非常に高い、などの問題が考えられます。なお、次の項で説明するように、合成後の精製で望ましくない形状の粒子を分離することができます。同じように、合成時に複数のタイプの円筒状ナノロッドが生成する場合があります。BDACとCTABの界面活性剤を使用した反応(図4A)では、標準的なCTABを使用した反応(図4B)よりも鋭い角を持つロッドが得られ、「レンガのような」構造に近づきます。スペクトル上では、通常のTSPRピークに加えて若干長波長側にシフトした小さなピークが観測されます(図2A vs 2C)。「ドッグボーン(Dogbone)」型または「ダンベル」型構造も、ナノロッドのスペクトルに大きな影響を与えます(図4C)。これら構造は、アスコルビン酸の二次的な添加で出現し、pHに依存することが複数のグループによって報告されています32,50-51。我々は、過剰量のアスコルビン酸を一度に加えることで、これらと同じ構造が得られることを報告しています。熱処理によって鋭い角や「ドッグボーン」のような構造を「和らげる(soften)」ことが可能で、その結果、付加的なスペクトルの強度が抑えられ、LSPRピークは全体的にブルーシフトします。
図4金ナノロッドの吸収スペクトルと形状の異方性との相関を示した金ナノロッドのTEM画像。挿入図は、各形状に対応する典型的なUV/Visスペクトル(波長範囲:400~1,000 nm)。A)CTABとBDACの界面活性剤を使用して合成された金ナノロッド。B)CTABのみを使用して合成された金ナノロッド。C)ドッグボーン型またはダンベル型のナノ粒子40。
不十分な精製(5)
合成後、保管するために必ず精製が必要であり、余剰反応物の除去と全体的なCTAB濃度の低減を行います。元の反応物を48時間以上静置しておくと、ナノロッドは凝集する傾向があります。そのため、通常は遠心分離によるペレット化によって精製を行うため、主に遠心分離後の凝集に注意が必要です。様々なサイズの粒子を溶液から適切に分離するには、異なる回転速度が要求されるため、各ナノロッドに合わせて最適化する必要があります。遠心分離の回転速度が必要以上に速い場合や処理時間が長いと粒子が凝集する場合があり、一方で遠心分離が不十分な場合は回収量が少なくなります。この問題は、可視域より長波長側にも吸収があるようなアスペクト比の大きいナノロッドで特に顕著になります。直観には反しますが、アスペクト比が大きいロッドは溶液中でより安定であるため、沈殿させるにはより速い回転速度が必要になります。したがって、上澄みを廃棄する前にそのUV/Visスペクトルを確認することが推奨されます。また、CTABを過剰に除去するとナノロッドが不安定になるため、溶液中の最終的なCTAB濃度にも注意が必要です。通常は、すべての精製段階を通して界面活性剤濃度を10 mM以上に維持することを推奨しています。最終的な保管には、CTAB濃度が1 mMになるまで問題なく溶液を希釈できます。また、図5に示すように、形状の異なる不純物を大量に含む試料のさらなる分離、精製にも遠心分離を用いることができます。粒子の大部分は混ざったままペレット化されますが(図5A-3)、チューブの縁には、球状もしくはロッド状粒子を示す異なる色の部分(図5A-1, 2)があることがわかります。このように、高効率ではないものの、遠心分離を用いた高純度化が可能であり、すでに報告もされています61。他のグループによっても水系多相システムを利用した方法(aqueous multiphase centrifugal separation)62やフロキュレーション(flocculation)法63が研究されており、ある程度の成功を得ています。
図5A)金ナノ粒子のペレットを含む遠心管を上から見た画像。粒子のサイズと形状に従って部分的に分離しています。1)ナノロッド形状の純度が非常に高い部分。2)主にナノスフェアの部分。3)両方の形状が混ざっている部分。B)A)のペレットから得られた(1)高純度金ナノロッドおよび(2)主に球状粒子の分散液の写真。
不十分な特性評価(6)
ナノロッドの特性を適切に評価するためには、複数の相補的な方法を用いて品質を評価することが重要です。最も一般的な特性評価法として、UV/Vis分光法、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)、動的光散乱(DLS:dynamic light scattering)法、ゼータ電位測定法が用いられています。前述のとおり、ナノ粒子集合体のアスペクト比、形状の純度、ロッドの質を測定するにはUV/Vis分光法が最も有用です。ただし、UV/Vis分光法では実際の大きさに関する情報はほとんど得られません。粒子寸法の確認にはTEMやSEMを用いるのが最も確実な方法ですが、十分な数の画像を複数の倍率で撮影しなかった場合、粒子の真の平均寸法に対して意図せずにバイアスがかかりやすくなります。図6は、観観測するTEMグリッドの区画によって、多くのナノロッドの品質がどのように異なるかを示した例です47。図6Cは、グリッド上で粒子が乾燥する際に「自己選別(self-sort)」する傾向があることを示しています。球や立方体などの不純物が集まった部分とロッドの区画が分離することで、形状の純度が高い合成という誤った印象を与えることになります。
図6観測箇所の違いによるバイアスを示す金ナノロッドのTEM画像。A)高純度ロッドの合成を示すTEMグリッドの区画。B)試料中に多数の不純物があることを示す(A)と同一グリッドの異なる区画。C)TEMグリッド上で乾燥する際に形状の異なる粒子が分離することを示したTEM画像。
動的光散乱(DLS)法のような球状ナノ粒子の特性評価に通常用いられる方法は、異方性形状を持つナノロッドの検出やサイズを測定するためのアルゴリズムに基づいていません。しかし、ゼータ電位の測定はCTABで安定化したナノロッドの安定性を示す良い指標となります。通常、安定したas-synthesized金ナノロッドは精製後に> +30 mVのゼータ電位を示します。この値が低いと粒子が不安定であり、時間経過とともに凝集する可能性が高いことを示しています。他にも、ポリエチレングリコール(PEG)のような中性化合物との配位子交換により、金ナノロッドを立体的に安定化させる方法があります。これはCTABを除去して粒子の毒性を低減するためにしばしば用いられる方法で、ゼータ電位は±5 mVの値をとるようになります。
結論
シード媒介コロイド成長法による金ナノロッドの合成では、アスペクト比および対応するLSPR光学ピークの広範囲な調節が可能であり、また合成のスケールアップも容易に行うこともできます。ただし、調節可能であることと引き換えに、合成における複数の段階で多くの変数を厳密に制御する必要があります。変数が広範に及ぶため、反応の再現性や一貫性を得るのが難しく、大規模なiin vivoの研究を目指す場合に障害となる可能性があります。こうした課題のため、小規模な製造を継続するには費用がかかることから64、多くの研究者がナノロッドを自身で合成するよりも購入することを選択するようになっています。現在では、十分に品質管理され、特性評価が標準化されたナノロッドを多くの企業が製品化しています。
参考文献
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