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細胞小器官のイメージングおよび単離のために設計された磁性‐プラズモンハイブリッドナノビーズ

Mari Takahashi, Shinya Maenosono

School of Materials Science, Japan Advanced Institute of Science and Technology

Material Matters, 2019, Vol.14 No.4

はじめに

細胞は、エンドサイトーシスによって細胞外の溶質や細胞膜上のタンパク質および脂質を吸収し、細胞内小胞に包み込みます。内部移行した物質は、リソソームへ輸送されて分解されるか、細胞膜に戻されて再利用されます。エンドサイトーシスは、栄養の取込み、分裂促進シグナル伝達の制御、細胞分化および細胞遊走、免疫応答を含む多くの他の生物学的過程の基礎となる過程です。さらに、ウイルスや細菌などの一部の病原体は、エンドサイトーシスを利用して宿主細胞に侵入します。したがって、細胞生物学と病理学に関する我々の根本的な理解を深めるためには、エンドサイトーシスを制御する分子機構の研究と、細胞内小胞のタンパク質および脂質成分の特性評価が不可欠です。最近、複数のグループが細胞内小胞やエンドソームの磁気分離について報告しています1,2。これらの磁気分離法は、損傷せずに精製された標的物質の回収を可能にし、超遠心分離法や密度勾配遠心法などの他の方法の有効な代替となります3

免疫磁気分離法は、細胞表面または小器官に特異的な抗体と結合した磁気ビーズを使用して、細胞と細胞内の小器官を分離する方法です。超遠心分離法を使用する従来の精製方法とは対照的に、免疫磁気分離法は迅速かつ穏和であり、単離した細胞および小器官の完全性を保ちます。エンドサイトーシスによって小器官内腔へビーズをターゲティングすることで初期/後期エンドソームなどのエンドサイトーシスに関連した小器官を単離するために、磁気ビーズが使用されています。我々は以前に、Ag/FeCo/Agコア/シェル/シェル構造を持つ超小型磁気ビーズを作製しました4。これらの磁気プローブは磁気的に不活性なAgのコア(平均サイズ10 nm)を持っていますが、それでもこれらのビーズはFeCo強磁性シェルの存在により磁気分離が可能です。さらに、Agコアは光学顕微鏡によるビーズの可視化を可能にします。AuおよびAg金属ナノ粒子の固有の光学的特性と局在表面プラズモン共鳴が細胞イメージングに利用されています5,6。これらの材料を組み合わせることで、プラズモン特性を持つ磁気ビーズが得られます。以下では、これらの磁気ビーズを、磁性-プラズモンハイブリッドナノビーズ(MPNB:magnetic-plasmonic hybrid nanobead)と呼びます。

MPNBの沿革

磁気ナノ粒子は超常磁性を持つため、磁気ハイパーサーミア、核磁気共鳴映像法、造影剤、磁気分離、および磁気薬物送達などの用途に使用することが可能です。さらに、金属ナノ粒子のプラズモン特性は、検出、イメージングおよび光熱療法などの技術を可能にします。したがって、これらの特性を単独のナノ構造に組み込むことで、超常磁性またはプラズモン特性のどちらかだけを利用した場合よりも、非常に多様な用途が実現されます。Au-Fe3O4ヘテロ構造MPNB7、Co/Auコア/シェル型MPNB8およびFePt-Auヘテロ構造MPNB9など、複数の種類のMPNBが報告されています。表1に、個別の磁気成分およびプラズモン成分に由来する多様な機能性を備えたMPNBの概要を示します。

表1様々な機能を有するMPNB

磁性材料およびプラズモン性材料のさまざまな組合せから、合金、コア/シェル、コア/サテライト、またはヘテロダンベル型の構造などの多様な種類のMPNBを得るために、多彩な液相合成法が研究されています。以下のセクションでは、MPNBの代表的な湿式化学合成法について概説します。

水相還元法

水相還元法では、通常、水中で還元剤によりプラズモン材料および磁気材料の前駆体を連続的に還元することでMPNBが合成されます。Santhiらは、Ag前駆体およびNi前駆体を含有する水溶液中に還元剤を加えることで、Ag-Ni合金MPNBを合成しています32。Wangらは、Co前駆体と還元剤を含有する水溶液中にAg前駆体を注入することで組成が調節可能になるCo/Agコア/シェル型MPNBの合成法を報告しています33。Kostevšekらは、FePtコアを形成する還元法、SiO2シェルを形成するゾルゲル法およびAuシェルを形成するシード媒介成長法の3つを組み合せたFePt/SiO2/Auコア/シェル/シェル型MPNBを報告しています34

加熱法(heat-up法)

有機相合成法の中で、加熱法は均一なMPNBを制御して合成するための容易で信頼性の高い方法です。通常、還元剤を含有または非含有の有機溶媒に金属前駆体と安定剤を溶解します。次に、反応混合物を高温に加熱して還元および分解反応を促進します。反応温度を精密に制御することで、多種多様の均一なMPNBを合成することが可能です。例えば、Yuらは加熱法でダンベル状のAu-Fe3O4 MPNBを合成しています35。Pengらは、加熱法と前駆体の連続還元を組み合わせて、Au/NiおよびAg/Niのコア/シェル型MPNBを合成しています36,37。加熱法の一形態であるシード媒介成長法の例として、Wangらは予め形成した酸化鉄ナノ粒子上へのAu前駆体の改良ポリオール還元(ポリオール法)を使用して、Fe3O4/Auコア/シェル型MPNBを合成しています38

ホットインジェクション法

ホットインジェクション法は、均一かつ輪郭の明らかなMPNBを得るために使用されている有機相合成法の1つです。通常、高温に加熱された安定剤を含有する有機溶媒中に、金属前駆体の溶液を急速注入します。この方法では、ナノ粒子の核生成と核成長を分離することが可能になるため、幅広い種類の均一なMPNBを合成することができます。Baoらは、Coコアを形成した後、そのコア上にAuシェルを形成する二段階の注入法で、Co/Auコア/シェル型MPNBを合成しています39。Pengらは、Fe/FexOyコア/シェル型磁気ナノ粒子を含有する溶液にAg前駆体を注入することで、ダンベル状のAg-Fe3O4 MPNBを合成しています40。Mohanらは、Pt前駆体を含有する反応液にAu前駆体およびFe前駆体を注入することで、Au100-x-yFexPtyの三元合金のMPNBを合成しています41

ソルボサーマル法

ソルボサーマル法は、中~高程度の温度(100~500℃)および圧力(1~10,000 atm)といった極端な条件下で化学物質を反応させる方法で、MPNBの重要な合成法の1つです。通常のソルボサーマル法では、金属前駆体と安定剤を含有する反応混合物を、テフロン加工のステンレスオートクレーブで加熱します。この方法では、高圧下で溶媒の沸点を超えることにより、金属前駆体の溶解度の向上を利用することが可能です。Zhaiらは、Ag/Fe3O4コア/サテライト型ナノ構造のサイズを調節したソルボサーマル合成を報告しています42。Shanらも、ソルボサーマル法を使用してAg-Fe3O4ナノ複合材料を合成しています43。このグループの合成では、投入するAg前駆体およびFe前駆体のモル比を変えることで、磁気的特性およびプラズモン特性を調節しています。

MPNBの合成および特性評価

Ag/FeCo/Agコア/シェル/シェル型MPNBは、ホットインジェクション法とポリオール法を組み合わせることで合成されています4,44。最初に、硝酸銀(AgNO3)、1,2-ヘキサデカンジオールオレイン酸オレイルアミン(OLA:oleylamine)、およびテトラエチレングリコールを混合しました。室温で5分間、反応混合物を撹拌しながらアルゴンで脱ガスした後、10分間、100℃で加熱して揮発性物質を除去しました。温度を170℃に上げて、鉄(III)アセチルアセトナート(Fe(acac)3:iron(III) acetylacetonate)およびコバルト(II)アセチルアセトナート(Co(acac)2:cobalt(II) acetylacetonate)をOLAとトルエンの混合溶媒に溶解させた溶液を加えました。温度を250℃に上げて、AgNO3をOLA/トルエン混合溶媒に溶解させた溶液を加えて、Agのシェルを形成しました。15分間反応させながら温度を230℃に下げた後、室温まで降温しました。アセトンを加え、MPNBを遠心分離した後、ヘキサン中に再分散しました。すべての化学物質はシグマアルドリッチから購入し、そのまま使用しました。次に、MPNBをチオール化ε-ポリ-L-リジン(PLL-SH:thiolated ε-poly-L-lysine)で修飾しました。MPNBの特性評価に使用された分析装置・方法は、透過型電子顕微鏡法(TEM:transmission electron microscopy)、高分解能TEM(HRTEM:high-resolution TEM)、高角環状暗視野検出器を備えた走査TEM(STEM-HAADF:scanning TEM equipped with a high-angle annular dark-field detector)、エネルギー分散型X線分析法(EDS:energy-dispersive X-ray spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)、X線回折法(XRD:X-ray diffraction)、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-OES:inductively coupled plasma optical emission spectroscopy)、超伝導量子干渉磁束計(SQUID:superconducting quantum interference device)、および紫外可視分光法(UV-vis:ultraviolet-visible spectroscopy)です。

MPNBの形状および特性

図1は合成した直後のAg/FeCo/Ag MPNBのTEMおよびSTEM像です。これらのMPNBは球状で、明確なコア-シェル型構造を示しています。MPNBの直径は平均約15 nmでした4,44-47。これらの画像から、MPNBが明確なAgコアとFeCoシェルを持っていることが分かります。図1Hは、EDSのラインプロファイルを示しています(図1Gの黄色の線)。AgのシグナルがMPNBの端で明確に増加しており、薄いAgの外側シェルの存在を裏付けています。

磁性-プラズモンハイブリッドナノビーズの各種画像

図1MPNBのA)TEM、B)HRTEM、およびC)STEM-HAADF像。MPNBのEDS元素マッピングのD)Ag L、E)Fe K、F)Co K、およびG)統合された画像。H)G)の黄色の線に沿ったEDSラインプロファイル。許可を得て文献47より転載。copyright 2017 American Chemical Society。

図2は、MPNBのFe 2pおよびCo 2pのXPSスペクトルを示しています45。FeとCoの原子比は、Fe:Co = 67:33と求められました。一方で、ICP-OESで測定されたFe:Coの組成はほぼ等原子でした。この不一致は、FeCoシェル内に組成の勾配があり、Agコアの付近ではCoが豊富で、FeCoシェルの表面ではFeが豊富であるということで説明されます。それぞれの種の酸化状態の相対的な割合は、Fe0/Fe2+/Fe3+ = 15:56:29およびCo0/Co2+/Co3+ = 23:47:30でした。MPNBのXRD分析では、FeCo相とCoxFe1-xO相が同時に存在することが明らかになりました45。これらのデータをすべて合わせると、FeCoシェルの表面は酸化してコバルトウスタイト(CoxFe1-xO)層を形成している可能性が高いと考えられます。この推測を裏付けるため、SQUIDを用いてMPNBの磁気的特性を調査しました。 
図3に、ゼロ磁場冷却(ZFC:zero-field cooling)および1 T磁場の磁場中冷却(FC:field cooling)後、T = 5 Kで記録された記録された磁化(M-H)曲線を示します。図3のように、FC処理後のヒステリシスループは、磁場の軸に沿って冷却磁場に対して負の方向に移動しており、交換バイアスの存在が示されています。この結果は、シェル内部の強磁性(FeCo)層と反強磁性(CoxFe1-xO)層の間の界面の存在を示唆しています45

MPNBのXPSスペクトル

図2MPNBのA)Fe 2pおよびB)Co 2pのXPSスペクトル。黒、黄、青、および赤の曲線は、それぞれ、生データ、Shirleyバックグラウンド、デコンボリューションされたピーク、および全要素の和を示しています。文献45より許可を得て転載。copyright 2016 Elsevier。

M-H曲線

図3ZFC(黒)およびFC(赤)処理後、T = 5 Kで記録された-10から10 kOeの範囲のM-H曲線。挿入図は、ZFC処理後のM-H曲線全体を示しています。文献45より許可を得て転載。copyright 2016 Elsevier。

STEM、XPS、XRD、およびSQUIDの分析結果に基づいて、単独のMPNBの詳細な構造は図4に示すような構造であると結論づけました。また、純粋なFeCoナノ粒子と比較して、MPNBの光磁気特性が変化し、ファラデー回転が増強されて楕円率が5倍になることが判明しています48。これらの変化は、主にハイブリッド構造のプラズモン性のコアと、磁性材料およびプラズモン性材料間の強いカップリングによるものです。このような強いカップリングは、ビーズの形状(つまり、コアのプラズモン性の構造)によって実現しています。

MPNBの内部構造

図4単独のMPNBの内部構造を示した図解

Ag/FeCo/Ag MPNBの形成機構は、(1)粒径集束とオストワルド熟成の間の競争および(2)Agナノ粒子のサイズに依存した触媒作用という、2つのよく知られた現象の組合せであることが明らかになりました。Ag前駆体を注入すると、Agコアの粒径集束が起こり、単分散のコアが臨界粒径よりも大きくなります。その結果、電子がポリオールからAgコア、AgコアからCoまたはFeイオンへ輸送され、Agコア上に均一にFeCoシェルが形成されます。FeCoシェルが形成される際に、Ag原子が同時にFeCoシェルに組み込まれ、Agの表面偏析が自発的に起こり、Agの外側シェルが形成されます44

MPNBを使用したオートファゴソームのイメージングおよび単離

標的小器官としてオートファゴソームを選択しました。哺乳類細胞にリポフェクションしたマイクロメートルサイズのポリスチレンビーズが初期エンドソーム内へ輸送され、損傷を引き起こしてゼノファジーを誘起し、その結果、損傷したエンドソームがオートファゴソームによって貪食されることが報告されています49,50。オートファゴソームはマイクロメートルサイズのビーズを貪食することが可能ですが49、我々は細胞内小器官を磁気分離するMPNBの能力を実証するためにMPNBを使用しました。

PLL-SHで修飾されたMPNBを、リポフェクションによってCOS-1細胞に導入しました47。その後、細胞を固定し、Vps26(初期エンドソームマーカータンパク質)またはLC3(オートファゴソームマーカータンパク質)を染色して、共焦点レーザー走査型顕微鏡法(CLSM:confocal laser scanning microscopy)でプラズモン散乱を利用したMPNBのイメージングが行われました。トランスフェクションの30分後、MPNBは部分的にVps26と共存していましたが、LC3とは共存していませんでした(図5AC)。リポフェクションの1時間後、LC3に囲まれたMPNB陽性構造がいくつか出現しました(図5D)。これらの構造は、大部分がリポフェクションの2時間後および4時間後に明らかになりました(図5EおよびF)。これは、MPNBが最初は初期エンドソームへ輸送された後、オートファゴソームに内包されたことを示しています。MPNBをトランスフェクションしたCOS-1細胞のCLSM像。

MPNBをトランスフェクションしたCOS-1細胞のCLSM像

図5A)30分およびB)1時間のインキュベーション後のVps26染色。C)30分、D)1時間、E)2時間、およびF)4時間のインキュベーション後のLC3染色。青および緑はそれぞれ核およびMPNBを示しています。赤はVps26(AB)またはLC3(CF)を示しています。スケールバーは10 µm。(A)の右下の挿入図は、(A)の黄色の線で囲まれた領域の拡大図です。許可を得て文献47より転載。copyright 2017 American Chemical Society。

磁気分離を行うためにMPNBがリポフェクションされた細胞を培養皿から取り、ホモジナイズしました。autoMACS Pro Separator(ミルテニーバイオテク、ドイツ)を使用して、得られた細胞溶解液を磁気分離しました。磁気分離画分(MS:magnetically separated fraction)をカラムから溶出し、短時間の遠心分離を行い、リン酸緩衝食塩水(PBS:phosphate buffered saline)中に再懸濁しました(図6A)。細胞ライセートとMSに対してSDS-PAGEを行い、LC3、トランスフェリン受容体(TfnR:transferrin receptor、エンドソームタンパク質)、リソソーム関連膜タンパク質2(LAMP2:lysosomal-associated membrane protein 2、リソソームタンパク質)、およびグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH:glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase、細胞質タンパク質)についてウエスタンブロットを行いました。図6Bに示すように、0分後では、対象のタンパク質はMS中に検出されませんでした。15分後、LC3-II(LC3がオートファゴソーム膜に結合した形態)、TfnR、およびLAMP2がMS中に検出されましたが、GAPDHは検出されませんでした。LC3-IIとLAMP2のレベルは8時間まで増加しましたが、TfnRのレベルは2時間後に定常に達しました。これらの分離実験の全体を通じて、GAPDH及びLC3-I(LC3の細胞質での形態)はMS中に検出されませんでした。これらの結果は、初期の時点(0.5 < t < 2 h、(t はインキュベーション時間))では主にオートファゴソームが単離され、後期の時点(t > 2 h)では、オートファゴリソソームが単離されたことを示しています47

磁気分離法の概略図およびウエスタンブロットの結果

図6磁気分離法の概略図およびウエスタンブロットの結果。A)磁気分離法のプロトコール(上)および細胞内のハイブリッドナノ粒子の局在化の変化(下)の概略図。B)ホモジネート(Hと命名)および分離画分(MS、Sと命名)中のマーカータンパク質の存在のインキュベーション時間依存性。Cは、トランスフェクション試薬は存在するがナノ粒子が存在しない対照。サンプルの頭文字(HまたはS)の後に追加されている数字はインキュベーション時間を示し、0、15、および30が0、15、および30分間のインキュベーション、1、2、4、6、および8が1、2、4、6、および8時間のインキュベーションにそれぞれ対応。許可を得て文献47より転載。copyright 2017 American Chemical Society。

結論

単分散Ag/FeCo/Agコア/シェル/シェル型MPNBを合成し、リポフェクションによってCOS-1細胞にトランスフェクションしました。
インキュベーション後、Agコアのプラズモン散乱を利用して、細胞内のMPNBの局在化が共焦点レーザー走査型顕微鏡法(CLSM:confocal laser scanning microscopy)によって可視化されました。
MPNBは、30分以内に初期エンドソームに到達し、その後、LC3と共局在を示しました。次に、MPNBを含有するオートファゴソームの磁気分離による単離に成功しました。この単離過程は、細胞溶解後約30分という短い時間で完了し、オートファゴソームを単離する迅速な方法となります。細胞小器官を磁気的に単離するMPNBの能力が明確に実証され、エンドソーム関連の小器官、トランスゴルジ網、クラスリン被覆小胞などの他の小器官の単離に対しても有望です。細胞小器官のオンデマンドの単離を可能にし、小器官上または内部のタンパク質を特定するMPNBを開発し、これらタンパク質の機能を分析することで、生物学と臨床医学の両分野で新しい見識が得られるようになると思われます。

謝辞

本研究は、科学研究費補助金26600053および15J10127の助成を受けたものです。We are indebted to Prof. Tomohiko Taguchi and Assist.細胞生物学の問題に関して長期的にご協力をいただいた田口友彦教授および向井康治朗助教(東北大学大学院生命科学研究科、日本)に深く感謝いたします。磁気分離実験にご支援いただいた高倉正博教授(金沢医科大学産科婦人科学教室、日本)および松本多圭夫医師(金沢大学医薬保健研究域、日本)に感謝いたします。また、細胞実験にご支援いただいた北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の松村和明教授、平塚祐一教授、河本慶子氏、および辰巳千晴氏に感謝いたします。ウエスタンブロットの化学発光検出にご支援いただいたJAISTの中村重孝助教および藤本健造教授に感謝いたします。細胞小器官のTEM像に関して貴重なコメントをいただいた和栗聡教授(福島県立医科大学解剖・組織学講座、日本)、およびMPNBの光磁気効果に関する研究にご協力いただいたDr. Alberto López-Ortega(Department of Applied Physics, University of Castilla-La Mancha、スペイン)およびProf. Paolo Vavassori(CIC nanoGUNE、スペイン)に感謝いたします。長年にわたりご支援いただいているDr. Priyank Mohan(JAIST)、Dr. Derrick Mott(東北大学多元物質科学研究所、日本)、および東嶺孝一氏(JAIST)に感謝いたします。

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