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Merck

幹細胞

H9ヒトES細胞をPluriSTEM®培地で週3日間フィードして22回の継代培養により増殖すると、高濃度のアルカリホスファターゼを発現します

幹細胞は、自己複製し、適切なシグナルに応答してさまざまな細胞種に分化できるユニークな能力を有しています。この性質により、幹細胞は組織の修復、置換および再生における力強い可能性を有するため、医学研究においてヒト幹細胞への特別な関心が高まっています。胚性幹細胞は、成体幹細胞よりも多くの種類の細胞に分化する能力を有します。分化は、in vivoではさまざまな因子により誘導されますが、その一部はin vitroの培養幹細胞で再現することができます。幹細胞はその性質から、特別な幹細胞用培地と試薬を必要とします。最適ではない培地を用いると、幹細胞の分化能に影響を与えてしまうため、研究プロセスの開始時にバリデーション済みの正しい培地と試薬を選ぶことが極めて重要です。試験済みの正しい幹細胞用培地、試薬および条件を用いれば、幹細胞はほかの細胞株と同様に培養可能です。一部の幹細胞株は不死化されており、ラボで無限に培養できますが、多くはそうではありません。そのため、幹細胞の培養開始前にこれらの選択肢を考慮することが重要です。



関連製品資料

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免疫細胞染色検査のため蛍光染色した間葉系幹細胞

幹細胞研究

近年、幹細胞研究分野は、CRISPRゲノム編集技術とより進化した3D細胞培養技術の登場により進歩しました。オルガノイド細胞培養法などの手法により、より予測精度の高いin vitro ”Disease-in-a-Dish” 細胞モデルが得られました。私たちは、CRISPR、ZFN遺伝子編集、および幹細胞に関する専門知識を組み合わせて、新規幹細胞株、最適培地、および革新的なキットを提供し、人工多能性幹細胞(iPSC)、神経幹細胞、間葉系幹細胞および造血幹細胞培養などあらゆる幹細胞生物学分野に貢献します。

また、assay-ready幹細胞、無血清培地および3D培養ソリューションの幅広いポートフォリオに加えて、使いやすいCell Design Studioを通じてカスタマイズした幹細胞株を提供します。お客様が希望するホスト細胞株またはiPSC株を選ぶと、私たちの専任チームが、ご希望の標的遺伝子をノックアウト、改変またはノックインします。

胚性幹(ES)細胞を含む多能性幹細胞および人工多能性幹細胞(iPSC)は、3つの胚葉(外胚葉、内胚葉、中胚葉)を代表する系譜に分化する能力を持っています。多能性幹細胞をin vitroで増殖し、特定の種類の細胞に直接分化させることは、疾患または損傷により傷ついた組織を置換または修復する細胞療法の開発に欠かせません。

私たちは、iPS細胞研究をサポートするためのツールを幅広く取り揃えています。iPS細胞リプログラミングキット、iPS細胞培養培地と試薬、iPS細胞特性解析キットおよびiPS細胞分化培地が含まれます。

多能性幹細胞

私たちはEuropean Bank of Induced Pluripotent Stem Cells(EBiSC)の細胞株を提供しており、これにより、約800種類もの患者由来ヒトiPS細胞株を疾患モデリングに利用できるようになりました。これは、European Collection of Authenticated Cell Cultures (ECACC)ポートフォリオの代理店であるPublic Health England(英国公衆衛生庁)とのパートナーシップの拡張によるものです。私たちは、iPSC研究のための完全なソリューションを提供します。新規リプログラミングキット、iPSC細胞培養培地ならびに幹細胞抗体および特性解析キットが含まれます。

神経幹細胞

私たちは、iPSC、胎児性幹細胞および胚性幹細胞などさまざまな起源に由来する、独自のヒト神経幹細胞株を幅広く取り揃えています。すべてのNSC株には最適化された無血清培地と試薬が同梱されており、十分な増殖を保証します。NSC専用培地により適切な分化を保証します。また、下流のNSC特性解析用ツールを提供します。

間葉系幹細胞

ヒト間葉系幹細胞(MSC)は、複数の系譜へ分化する能力を有する多能性成体幹細胞であり、骨芽細胞(骨)、脂肪細胞(脂肪)および軟骨細胞(軟骨)などのさまざまな間葉系表現型の細胞を生み出します。長期間にわたって自己複製し、特殊化した細胞に分化する能力を持つことから、MSC培養の生物学、特にさまざまな疾患の治療可能性に関する関心が高まっています。私たちの間葉系幹細胞培養のためのツールと技術の包括的なコレクションには、さまざまな組織由来の継代回数の少ないMSC株、最適化された増殖および分化培地および幅広いMSC関連抗体および細胞用色素が含まれます。

MEFフィーダー細胞

多くの胚性幹(ES)細胞の培養プロトコルは、初代マウス胚性線維芽細胞(MEFフィーダー細胞)モノレイヤー(単層)の使用に依存しています。MEF細胞は、多能性の維持を助ける複数の重要な成長因子を培地中に分泌し、ES細胞がその中で増殖するための細胞マトリックスを提供します。EmbryoMax® PMEFマウスフィーダー細胞は、面倒なフィーダー細胞の単離と調製の必要性を取り除き、ES細胞培養のための簡便なソリューションを研究者に提供します。

マウス胚性幹細胞培養

トランスジェニックマウスモデル

トランスジェニック技術と遺伝子ノックアウト技術は、遺伝子機能研究のための強力なツールです。トランスジェニックマウスやノックアウトマウス作製のためには、遺伝子を改変した胚性幹細胞を胚盤胞インジェクションまたは凝集法のいずれかにより、マウス初期胚に導入する方法が広く用いられています。これらの方法により、キメラマウスが誕生し、ES細胞から生殖系列が形成されると、改変された遺伝子が後続の子孫に受け継がれます。

私たちは、マウスES細胞培養のためのツールや技術を幅広く取り揃えています。これには培養系のゴールドスタンダードとなっている、ESGROmLIF添加剤、ESGRO完全培地およびESGRO-2i無血清培地/フィーダーフリー培地が含まれます。私たちのポートフォリオには、トランスジェニックマウスモデルの作製に用いるマウス胚の保管、移動、および増殖のためのマウス胚用基本培地およびMEFフィーダー細胞が含まれます。

マウスES細胞培養用ESGRO™ LIF添加剤

マウス用ESGRO LIF添加剤は、マウスES細胞株の培養において多能性状態を維持するために用いる添加剤として、10年以上にわたって幹細胞研究者に信頼されてきました。未分化マウスES細胞の培養のゴールドスタンダードであるESGRO mLIFの特徴は以下のとおりです。

  • ES細胞の分化を一貫して阻害
  • 活性ユニット単位(unit/mL)で提供される使いやすいフォーマット
  • ロット間の変動がない
  • 柔軟性:フィーダーフリー培養およびフィーダーベース培養に対応

幹細胞用無血清培地・添加剤

歴史的に、幹細胞を含む、哺乳類細胞のin vitro培養においては、ウシ胎児血清(FBS)が最適な添加剤とされてきました。しかし、FBSには不特定成分が含まれるため、幹細胞研究者は化学的により明らかな無血清のゼノフリー培地と添加剤へと移行しています。無血清培地の利点は以下のとおりです。

  • 一貫性:培地の組成が明らかなため、ロット間の一貫性を確保
  • 性能:生物学的活性の高い成分により性能が優れている
  • トレーサビリティ:動物由来成分を含まないため、世界的規制の遵守を保証
  • 利用可能性:供給と価格が安定

私たちは、ヒトES/iPS細胞、神経幹細胞(NSC)、間葉系幹細胞(MSC)および造血幹細胞(HSC)を含む、さまざまな幹細胞のための独自のready-to-useな無血清培地を提供します。これらの培地の品質は、厳格に管理されており、性能と一貫性を保証します。

Stemline™製cGMP認証培地およびサイトカインは、臨床および製造分野における多様な成体幹細胞種の増殖および成熟のために最適化されています。Stemline™製品は、以下のような特徴があります。

  • cGMP認証
  • 無血清のゼノフリー
  • 性能はバリデーション済みかつロットチェック済み
  • 一貫性がバリデーションされています。



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