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ホームタンパク質・核酸の相互作用高感度多重検出のためのDuolink®近接ライゲーションアッセイ(PLA)マルチカラーキット

高感度多重検出のためのDuolink®近接ライゲーションアッセイ(PLA)マルチカラーキット

Duolink® PLAキットと試薬を用いると、マルチカラーでのタンパク質間相互作用の検出と定量が可能です

タンパク質間相互作用現象

タンパク質の相互作用は細胞外および細胞内のコミュニケーションの開始とカスケードのキーとなる構成としてしばしば機能し、幅広いさまざまな細胞機能と細胞挙動に影響します。しかしながら、固定した組織や細胞でタンパク質間相互作用を正確に同定することは難しく、特に非常に微量でしか存在しないタンパク質やタンパク質複合体の弱い相互作用などは困難を極めます。近年、蛍光色素や新しい検出技術の開発が増えるに従い、多様な研究分野で細胞内タンパク質の同定のための革新的な技術が発表されています。結果として、これらの相互作用の検出は私たちのタンパク質機能の理解の改善を導き、正常および病変組織で数多くのシグナル伝達経路でのキーとなる洞察を提供しています。Duolink® PLA マルチカラーテクノロジーは、固定した組織や細胞でいくつかの明らかなタンパク質間相互作用を視覚的に検出し定量化できるようにしました。

Duolink® PLAマルチカラーテクノロジー

Duolink® PLA マルチカラー Probemakerキットと試薬セットで、さまざまな固定した組織や細胞内での明らかなタンパク質間相互作用を最大4つまで視覚的に検出し、定量化できます。2つの特異性の高い一次抗体を各タンパク質間相互作用の評価に使用します。プラスとマイナスのPLAプローブの生成はProbemakerテクノロジーを用いて完成され、各一次抗体に1つのオリゴヌクレオチドを直接標識します。各プラスとマイナスのPLAプローブのペアがお互いに近かった場合(40nM未満)、DNAライゲーションとそれに続くローリングサークル増幅は、ポリメラーゼの添加により起こり 、連結された1本鎖の鎖状態の配列を最大1,000コピー産生します。  標識されたオリゴヌクレオチドまたは検出プローブの添加によって、増幅配列内で相補的なテンプレートの配列をハイブリダイズし、その結果、各タンパク質間現象の検出で最大1,000倍のタンパク質シグナル増幅がもたらされます。Multiplex Duolink® PLA マルチカラーテクノロジーは緑、オレンジ、赤、遠赤から成る検出色で安定、微弱の両方で最大4つのタンパク質間相互作用現象の検出を可能にします(図1)。さらに重要なことに、通常のハイコンテントスクリーニングイメージャー、フローサイトメトリーもしくはイメージングフローサイトメーターの利用でイメージングおよびデータ分析の両方も可能です。

 

直接結合した一次抗体

図1:Probemakerテクノロジーで作製されたPLAプローブを直接標識した一次抗体は同定に用いられ、緑、オレンジ、赤、遠赤の検出色で4つの特有のタンパク質現象を増幅する

Duolink® PLAマルチカラーテクノロジーと細胞パスウェイ解析

タンパク質間相互作用と細胞パスウェイ解析の研究にはさまざまな方法とテクノロジーがあります。一般的には蛍光標識試薬と蛍光顕微鏡を用い、リコンビナントタンパク質を利用して、興味のある細胞や組織内のシグナルの共局在に作用することができます。しかしながら、リコンビナントタンパク質の利用とイメージング技術での共局在を解析するには限界があり、天然の状態では相互作用タンパク質のデータを得ることは難しいと思われます。さらに、複雑なシグナル伝達経路に関連するさまざまな疾病の研究ではわずかな翻訳後修飾タンパク質の解析やリン酸化および非リン酸化タンパク質の検出も含む可能性があります。Duolink® PLA マルチカラーテクノロジーは可能性のある翻訳後もしくは別の修飾でのタンパク質間相互作用の解析に効果的です。

Multiplex Duolink® PLAマルチカラーテクノロジーを用いた受容体チロシンキナーゼのHERファミリーの探索

受容体チロシンキナーゼのHERファミリーは、EGFR(HER1またはErbB1)、HER2(ErbB2)、HER3(ErbB3)およびHER4(ErbB4)の4種類から構成されます。重要なことに、これらのタンパク質は数多くの種類のガンで過剰発現もしくは変異しており、研究者にとって非常に興味深いことです。2高い特異性と最大 4 つのタンパク質間相互作用を同時に探索できる性能を提供するMultiplex Duolink® PLA マルチカラーテクノロジーはEGFRパスウェイを含む、複雑なシグナリングカスケードを視覚化するために効率的に用いることができます(図2)。

マルチプレックスPLA検出と解析の図

図2:(A) EGF処理したヒト卵巣腺腫SK-OV3細胞とEGF非処理のSK-OV3細胞での翻訳後修飾とタンパク質間相互作用のEGFRシグナルのマルチプレックスPLA検出と解析の図。EGFRのリン酸化(緑)、EGFRとHER2の相互作用(オレンジ)、HER2のリン酸化(遠赤)のマルチプレックスPLA検出は接着細胞(B)またははく離した細胞で行った。データの収集は蛍光顕微鏡もしくはフローサイトメトリーでそれぞれ実施した。核は(B)でDAPI(青)によって染色された。

実験に関するさらなる詳細な情報は、Duolink® PLAマルチカラー検出プロトコルをご参照ください。

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参考文献

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