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Merck

飽和含窒素複素環ビルディングブロック(SnAP)の紹介

飽和含窒素複素環ビルディングブロックの重要性は増していますが、市販品の入手が難しく、これらの環系の形成には時間と労力を要する合成経路が必要な場合が多いため、その導入が困難になっています。

SnAP試薬は拡大が続いている試薬の種類であり、現在、二環およびスピロ環構造を含む中員環(6~9員環)飽和含窒素複素環の簡便な合成のために利用可能です。Bode研究グループとの共同研究により、多くのSnAP試薬が現在市販されており、特定の用途または標的に向けた特注の試薬を単純な出発物質から調製することも可能です。

SnAP試薬の最新情報

SnAP試薬の利点

SnAP試薬は安定で、容易に使用可能であり、飽和含窒素複素環の合成のためにBodeグループで開発された多用途性のある予測可能な方法論を用いて、幅広い利用可能な芳香族、複素芳香族、脂肪族、およびグリオキシル酸のアルデヒドと組み合わせることが可能です。総説に記述されている一般的な手順を以下に示します。

SnAP試薬

SnAP試薬を使用した含窒素複素環の合成手順

  1. 1当量(0.50 mmol)のアミノトリブチルスタンナン(SnAP試薬)を、2.5 mLのCH2Cl2に溶解します。
  2. この溶液に、1当量(0.50 mmol)の対応するアルデヒドと4Åモレキュラーシーブ(約100 mg/mmol)を加えます。反応混合物を室温で2時間撹拌し、セライトの短い層を通してろ過します(CH2Cl2ですすぐ)。
  3. 減圧下でろ液を濃縮して、純粋なイミンが得られます。
  4. 別に、1当量(0.50 mmol)の2,6-ルチジン、2.0 mLのHFIP、および1当量(0.50 mmol)の無水Cu(OTf)2を室温で一時間撹拌し、均一な懸濁液にします。
  5. この均一な懸濁液に、8.0 mLのCH2Cl2と手順3で得られたイミンを一度に加え、室温で12時間撹拌します。
  6. 5 mLの10%NH4OH水溶液で反応をクエンチし、15分間よく撹拌します。
  7. 各層を分離し、水層からCH2Cl2(3 × 3 mL)で抽出します。有機層を合わせて、H2O(3 × 5 mL)と塩水(10 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過して濃縮します。
  8. フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、対応する含窒素複素環が得られます。
材料
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参考文献

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