大気汚染物質 (アルデヒド・ケトン)の迅速かつ信頼性の高いGC/MS測定法
Nicole Amann
AnalytiX Volume 7 Article 2
はじめに
アルデヒドとケトンは至る所に存在する大気汚染物質です。これらは、エステル、エーテルとともに室内の大気汚染物質の主要成分であるため、産業衛生アプリケーションに重要です。分析法は、今日の要件を満たす信頼性の高い定量を可能にするとともに、より新しく厳格な規制と歩調を合わせなければなりません。
GC分析前に行う、O-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロベンジル)ヒドロキシルアミン(PFBHA)による誘導体化は、環境大気中のアルデヒドとケトンを迅速に定量する信頼性の高い方法です。あらゆる分析法と同様に、分析の精度と確度を確保するには高品質の分析用標準物質を入手できることが重要です。しかし、アルデヒドとケトンのPFBHA誘導体はこれまで市販されたことがありません。このニーズを満たすために、Sigma-Aldrichはこれらの誘導体をGC-MS用高純度標準物質として提供することになりました。
PFBHA:2,4-DNPHによる誘導体化に勝る利点
PFBHAで誘導体化すると2,4-DNPHの欠点を避けることができます。PFBHAは共役脂肪族アルデヒドとも定量的に反応します。PFBHA誘導体は高温でも分解しません。また、時間を要するクリーンアップステップも不要です。得られたオキシムはGCで容易に分離できます。
スキーム1.PFBHAとアルデヒドまたはケトンがオキシムを形成する反応
アルデヒドとケトンを分析するためのSigma-Aldrich製品
Sigma-Aldrichは、PFBHA試薬の他にもアルデヒドとケトンの捕集、分析前処理、および分析用製品を取り揃えています。
SPME(固相マイクロ抽出)
SPMEは、ファイバー上のPFBHA誘導体化とともにアルデヒドとケトンの環境モニタリングに適用されてきました。本稿で引用した参考文献では、アミンに対する高い親和性によってオキシム誘導体を良好に保持するPDMS-DVBファイバーコーティングを使用しています。手順は希釈した誘導体化試薬にファイバーを浸漬し、試料のヘッドスペースか大気にファイバーをばく露し、TWA分析を行うだけです。
radiello®パッシブ/拡散サンプラー
radiello®パッシブ/拡散サンプラーは、室内と屋外の大気中に存在するアルデヒドとケトンをその他多くの被分析物質とともに長期および短期にわたってサンプリングするのに最適です。放射状設計により、従来のパッシブサンプラーと比べて容量が増え、取込/サンプリング速度が向上しています。
SupelcoキャピラリーGCカラム
EPAメソッド556と556.1「飲料水中のカルボニル化合物の測定」に準拠したPFBHA誘導体のGC分析には、一次カラムとしてSupelco SLB™-5msキャピラリーGCカラム(30 m x 0.25 mm内径 x 0.25 μm df)、確認カラムとして同じ寸法のEquity-1701を推奨します。これらのカラムは優れた分離能と迅速かつ再現性のある分離を実現します。
参考文献
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