コンテンツへスキップ
Merck

メタセシス反応

オレフィンメタセシスは、炭素-炭素二重結合の開裂と変換によってアルケン(オレフィン)のフラグメントが組みかわる有機反応です。この発見により、科学者たちは有機合成における新たなブレイクスルーを発見することにつながり、高分子化学、創薬化学、天然物合成における新たな進歩への道を開きました。メタセシス反応には大きく分けて3種類あり、低分子有機合成には閉環メタセシスとクロスメタセシスが、重合には開環メタセシスがしばしば用いられます。

オレフィンメタセシスの最も一般的な応用例は、非環状ジエンを分子内で反応させて環を形成する閉環メタセシス(RCM)であるといえるでしょう。この方法により、現代の創薬化学でテーマとなっている、sp3-センターを豊富に持つ炭素環およびヘテロ環の構築が可能です。1

クロスメタセシスは、2つのオレフィンを分子間で反応させ、それぞれのオレフィンから置換基を持ったオレフィンを生成させる技術です。優れた官能基互換性に加えて、残留水分や酸素に対する耐性があるため、ルテニウム触媒によるマクロ環化反応は、大きな環(原子数12以上)を調製するための一般的な方法論として広く受け入れられています。2

開環メタセシス重合(ROMP)は、特性の異なるポリマーを設計することができるため、合成を促進する強力な技術的進歩となっています。低コストですぐに利用できる出発物質により、この堅牢な重合法は、大量のポリマー合成に広く利用できます。3


関連技術資料

技術資料の検索







参考文献

1.
Lovering F, Bikker J, Humblet C. 2009. Escape from Flatland: Increasing Saturation as an Approach to Improving Clinical Success. J. Med. Chem.. 52(21):6752-6756. https://doi.org/10.1021/jm901241e
2.
Blackwell HE, Sadowsky JD, Howard RJ, Sampson JN, Chao JA, Steinmetz WE, O'Leary DJ, Grubbs RH. 2001. Ring-Closing Metathesis of Olefinic Peptides:  Design, Synthesis, and Structural Characterization of Macrocyclic Helical Peptides. J. Org. Chem.. 66(16):5291-5302. https://doi.org/10.1021/jo015533k
3.
Harned A, Zhang M, Vedantham P, Mukherjee S, Herpel R, Flynn D, Hanson P. 2005. ROM Polymerization in Facilitated Synthesis. Aldrichimica Acta. 38, 3-16. https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Aldrich/Acta/al_acta_38_1.pdf
ログインして続行

続きを確認するには、ログインするか、新規登録が必要です。

アカウントをお持ちではありませんか?