果汁中のAlicyclobacillus属検査に適用される改定版IFU法No.12
Alicyclobacillus属の芽胞は果汁の低温殺菌温度でも生存し続けて、条件が合えば処理後に発芽して増殖する可能性があるため、果汁製品に含まれる菌の管理が困難になる場合があります。このような事象が発生した場合、経済的な影響は非常に大きくなります。International Fruit and Vegetable Juice Association(国際果物と野菜ジュース協会:IFU)は、2019年に芽胞形成耐熱性好酸性菌(Alicyclobacillus属)の定性および定量検査に適用されるIFU法No.12を改訂しました。
- 果汁と果汁関連製品、およびこれらの食用成分
- 果汁と果汁関連製品の生産エリアおよび取り扱いエリアの工程で使用される水などの環境サンプル
- シロップなどの果汁やこれらの成分を含まないその他の飲料
2019年からのこの第3版は、技術的に改訂されたIFU法No.12:2007の第2版の後継となるものです。IFU法No.12:2007と比較して、第3版に新たに導入された主な変更点は、重要なものであると考えられています。この新しいIFU法No.12は、より詳細にかつ整理されているため、再現性が高められます。また、培地の処方と性能の基準が改善されており、これらはISOの手順と一致しています。
IFU法No.12の変更内容
IFU Microbiological Working Group(微生物学ワーキンググループ)が実施したISO適合性バリデーションにより、ユーザーのラボへの導入が容易であることが確認されています。IFU法No.12:2007からの主な変更内容を以下に示します。
- 方法の名称を「Method on the Detection and Enumeration of Spore-forming Thermo-Acidophilic Spoilage bacteria (Alicyclobacillus spp.)[芽胞形成耐熱性好酸性菌(Alicyclobacillus属)の定性および定量検査の方法]」に変更
- 複数の培地を使用する方法から、1種類の液体培地(BATブロス)と1種類の寒天培地(BAT寒天培地)の使用に変更
- 1gのサンプルでの定量を可能にするため、新しく混釈平板法を導入
- 培地の品質保証のための性能試験を追加
- このIFU法に関して規定された性能特性をサマリーとして追加
- 付属書Eに、パック入り飲料製品のオプションでの前培養を追加
- 付属書Fに、サンプルに依存する特殊な工程を追加
講義(11分間):新しいIFU法No.12:2019
新しいIFU法No.12:2019に準拠したAlicyclobacillus属の検査プロセスをDr. Andreas Bubertが説明します。
手順A:
新しいIFU法No.12:2019に準拠した混釈平板法による直接定量法
手順B:
IFU法No.12:2019に準拠したろ過法による直接定量法
手順C:
新しいIFU法No.12:2019に準拠した増菌法によるAlicyclobacillus属の定性法
私たちは、食品、飲料、水の微生物検査用の顆粒状培地およびready-to-use培地の世界屈指の供給業者として、消費者の信頼および安全性を高めるために規格関連の開発を常に追いかけ、サポートしています。
私たちのGranuCult®シリーズは顆粒状培地です。Readybag®は、あらかじめ秤量された顆粒状培地を、すぐに使えるように袋詰めした製品です。また、ReadyPlate®およびReadyTube® はすべてのEN ISO 11133:2014に準拠したready-to-useの調製済み培地です。その他の規格に準拠しているすべての情報は、製品ラベルに表示されています。また、Webサイト上の製品技術情報にも記載されています。
図1.GranuCult® Prime BAT寒天培地およびBATブロス
図2.BAT寒天培地上のAlicyclobacillus属
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