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Merck

幹細胞マーカーおよび抗体

胚性幹細胞(ES細胞)

胚性幹細胞(ES細胞)は、胚盤胞の内部細胞塊における発生初期に認められ、自己再生と潜在力のいずれの特性も有しています。胚性幹細胞は多能性細胞です。つまり、その細胞は多数の細胞型を生じさせることができます。多能性胚性幹細胞は、OCT4、SOX2およびNANOGなどの多数の多能性マーカーの発現により確認されます。これらの転写因子は、分化に導く遺伝子を抑制して、細胞の多能性を維持させます。

nanog-amab-human

図1A.

nanog-amab

図1B.

nanog-amab-ntera

図1C.

図1(A、B、C)。NANOGタンパク質は通常、初期胚発生時に発現し、正常な成体組織には認められません。NANOGの過剰発現は精巣の胚性がん(A)で認められ、モノクローナル抗NANOG(AMAb91393)を使用したIHC染色(B)で示されます。抗NANOG抗体AMAb91393もNTERA-2細胞で核陽性を示し、WBで予測されるサイズのバンドを示します(C)。NTERA-2細胞は、多能性ヒト胚性がん細胞株であり、初期胚細胞と同様の生化学的特性および発生特性を示します。

胚性幹細胞は胚発生時に分化して、外胚葉、内胚葉、中胚葉という3胚葉を生じさせ、それらから、最終的に全組織や器官が形成されます。例えば、外胚葉背側は神経外胚葉へと分化し、その後、神経胚形成を経て大脳化へと進み、最終的に中枢神経系へと発達します。神経幹細胞は、ニューロン形成過程において神経細胞、アストロサイト(星状膠細胞)、およびオリゴデンドロサイト(乏突起膠細胞)などの多様な神経細胞型を生成させる多能性細胞です。

sox2-embryo

図2A.

sox2-mouse

図2B.

図2(A、B)。SOX2は、胚発生時には持続的に発現しており、最初に着床前胚の胚盤葉上層に、その後は主として原腸陥入後の中枢神経系にみられます。モノクローナル抗SOX2(AMAb91307)を用いたIHC染色では、マウス胚の発生中の眼(A)および神経管(B)で核陽性が認められます。

成体幹細胞

成体(または体性)幹細胞は、出生後の生物のさまざまな組織で認められます。成体幹細胞は、分化する細胞型(多分化能)が限定されており、起源となる組織の典型的細胞のみを生成します。前駆細胞とともに、そのような細胞は成体組織における正常な細胞のターンオーバーに関与し、修復系として機能すると考えられます。

IHCマウス胚

図3A.

成体ラット網膜

図3B.

HEK-293細胞のICC-IF染色

図3C.

図3(A、B、C)。PAX6は、眼の発生全般において重要な転写因子です。 モノクローナル抗PAX6(AMAb91372)を用いたIHC染色では、マウス胚の発生中の眼(A)および成体ラット網膜(B)に陽性が認められます。HEK-293細胞のICC-IF染色では、核における免疫反応性が認められます(C)。

細胞表面多能性マーカー
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転写因子マーカー
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人工多能性幹細胞(iPS細胞)マーカー
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生殖細胞マーカー(分化マーカー)
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外胚葉および内胚葉マーカー
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