スピノキュレーションのプロトコル
MISSION® TRC shRNAライブラリはレンチウイルスベースのshRNAベクターのコレクションであり、遺伝子ノックダウン研究に使用します。本プロトコルは特に、MISSION® TRC shRNAレンチウイルス粒子を、懸濁細胞での長期的な遺伝子サイレンシングおよび表現型観察に使う方法について紹介します。下記プロトコルは文献1を元に作成しており、6ウェルプレートでMISSION®レンチウイルス粒子を使用する場合の分量です。
さらにExpressMag™システム(SHM01またはSHM02)は本プロトコルよりも24時間速く、複数の組織培養形式で懸濁細胞に形質導入ができるよう最適化されています。
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関連製品
MISSION®レンチウイルス粒子
SHC002VまたはSHC001Vを形質導入の手順の最適化にお使いください。SHC003Vの形質導入はFACSまたは蛍光顕微鏡でモニターできますが、そのプロトコルはここでは記しません。まずご自身のプロトコルを最適化し、導入効率が十分と確信が持てるようにしてください。これによって、導入効率とレンチウイルス(shRNAやカスタマイズ)による影響を切り離して考えることができます。こうすれば、shRNAを発現するMISSION®レンチウイルスに切り替える際、変更後にコロニー数または生細胞数が増減した場合はshRNAの影響によると考えることができ、導入効率が低いという理由を除外できます。導入効率の最適化後に、対象遺伝子を標的とするプレデザインshRNA発現MISSION®レンチウイルス粒子、あるいはshRNAまたは標的遺伝子を発現するカスタムMISSION®レンチウイルス粒子をご利用ください。
ピューロマイシン (P9620)
10 mg/mLセレクション用ストック溶液
完全培地
Jurkat細胞の場合、熱非働化した10%ウシ胎児血清を含むDME培地または対象細胞種に適した培地
トリパンブルー(93595)
15 mLコニカルチューブ(CLS430790)12本
6ウェル組織培養プレート(CLS3516)
スイングバケット遠心分離機
遠心分離機に温度管理計をセットし、細胞の形質導入前に32°Cに予熱しておきます。
血球計数器 (Z359629)
血球計数器を細胞カウントに使用します。
プロトコル
- 細胞選択用のピューロマイシン最終濃度を決めます。選択濃度は細胞株によって異なり、非導入細胞を用いた72時間細胞毒性アッセイにより決定します。
- 本プロトコルには滅菌済みの器具装置のみを使用し、標準の組織培養滅菌手技で操作します。
- すべての培地を37℃に予熱します。
- 培養したJurkat生細胞を数えます。
- 最終濃度1x 105細胞/mL、最終量14 mLになるように、Jurkat細胞を完全培地で希釈します。
- 1x 105細胞/mL細胞懸濁液を2 mLずつ、15 mL滅菌済みコニカルチューブ6本に加えます。
- MISSION®レンチウイルス粒子溶液をJurkat細胞に添加し、最終の多重感染度(MOI)がコニカルチューブ1本当たり0、0.1、0.5、1.0、5.0,または10になるようにします。0 MOIは、形質導入されていないネガティブコントロールです。
- 細胞を800 x g、32℃で30分間遠心分離します。
- ウイルス含有培地を吸引し、各施設の規則に従って適切に廃棄してください。
- 各細胞ペレットを培地各2 mLに加え、ピペットで穏やかにピペッティングして再懸濁した後、6ウェル組織培養プレートの元のウェルに戻します。
- プレートを組織培養インキュベーターに戻し、3日間インキュベートします。
- 3日後、細胞を15 mLコニカルチューブ6本に移し、200 xgで5分間遠心分離します。培地を捨て、ピューロマイシン含有完全培地2 mLに交換します。
- 組織を培養プレートに戻し、一晩インキュベートします。
- トリパンブルーの呈色変化または観察によりネガティブコントロールである非導入細胞の細胞死が確認できるまで、細胞のピューロマイシン処理を続けます。
注記
下記式により、ウェル当たりのMOIを算出します。「ViralTiter」は製品の試験成績書に記載されています。VolumeofVirusは、形質導入する細胞が入ったウェル/遠心分離チューブへのウイルス添加量(mL)です。「NumberofCells」は、ウェル/遠心分離チューブ中の総生細胞数です。
= | Viral Titer (TU/mL) x Volume of Virus (mL) |
Number of Cells |
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