獣医学および動物衛生研究におけるマルチプレックス
獣医学および動物衛生に関する研究は、動物とヒトの健康を守るため、そして科学の進歩のために重要です。実験動物、コンパニオンアニマル、農業用動物の研究のためにMILLIPLEX®マルチプレックスアッセイなどのバイオマーカー検出マルチプレックス・イムノアッセイを使用することの利点について説明します。
動物研究におけるバイオマーカー検出マルチプレックス・イムノアッセイの利点
動物衛生研究は、獣医学、実験用動物モデル、コンパニオンアニマルや農業用動物の研究など、多種多様な分野に及びます。バイオマーカー検出マルチプレックス・イムノアッセイは、この実験動物、コンパニオンアニマル、農業用動物の研究に利点をもたらします。マルチプレックスにより、貴重な時間、費用、サンプル量を節約し、1回のアッセイで得られるデータポイントの数を劇的に増やすことができます。
獣医学および動物衛生研究のためのMILLIPLEX®マルチプレックスアッセイ
獣医学、動物衛生、動物モデル、ならびにヒトの健康を研究している科学者は、Luminex® xMAP®テクノロジーに基づくMILLIPLEX®マルチプレックスアッセイにより、複雑な生物学的システムとプロセスを理解することができます。私たちはコンパニオンアニマル、農業用動物、研究用動物、そしてヒトに至るまで幅広いキットを提供しています。
MILLIPLEX®キットでは以下の動物種の解析が可能です。
実験動物
| コンパニオンアニマル
| 農業用動物
|
これらの高度に検証されたアッセイにより、時間とサンプル量を節約し、最高品質のデータを提供します(表1)。
農業用動物の研究のためのサイトカインマルチプレックス解析の例
農業用動物研究に使用されているヒツジ、ニワトリ、ウシのサイトカインマルチプレックスアッセイの例を以下に示します。
ヒツジ
MILLIPLEX® Ovine Cytokine/Chemokine Panel 1は、同一サンプルで最大14種類のヒツジサイトカインを組み合わせて解析できる最初のマルチプレックスパネルです。このパネルを用いたデータの例を図1および2に示します。
図1.ヒツジPBMC(BioIVT社、ニューヨーク州ヒックスヴィル)を、LPSまたはConcanavalin A(Con-A)で48時間刺激するか、刺激せずに置いた。細胞上清を回収し、MILLIPLEX® Ovine Cytokine/Chemokine Panel 1のプロトコルに従ってアッセイした(n=3、平均値)。IL-8は、このサンプル群の標準曲線で上限(飽和)に達した。
図2.ヒツジミルクサンプル(BioIVT社、ニューヨーク州ヒックスヴィル)を、MILLIPLEX®Ovine Cytokine/Chemokine Panel 1のプロトコルに従ってアッセイした(n=10、平均値)。
ニワトリ
MILLIPLEX® Chicken Cytokine/Chemokine Panel 1は、同一サンプルで最大12種類のニワトリサイトカインを組み合わせて解析できる最初のマルチプレックスパネルです。このパネルを用いたデータの例を以下に示します。
図3.市販の健常なNew Hampshire chickenの血漿および血清サンプル(それぞれn=8)を、MILLIPLEX® Chicken Cytokine/Chemokine Panel 1のオーバーナイトプロトコルに従ってアッセイした。「ND=n」は、アッセイでアナライトが検出されなかったサンプルの数を示す。IL-21はこれらのサンプルでは検出されなかったが、特定の疾患/炎症の状態においてはIL-21の値が認められると予測される。
ウシ
MILLIPLEX® Bovine Cytokine/Chemokine Panel 1は、同一サンプルで最大15種類のウシサイトカインを解析できる最初のマルチプレックスパネルです。2種類のサンプルタイプのアナライトデータの例を図4および5に示します。
図4.ウシPBMC(BioIVT社、ニューヨーク州ヒックスヴィル)をLPSまたはConcanavalin A(Con A)で48時間処理した後、無細胞サンプルを回収し、MILLIPLEX® Bovine Cytokine/Chemokine Panel 1でアッセイした(n=3、平均値±SEM)。*これらのサンプル群の標準曲線で上限(飽和)に達したことを示す。
図5.血清サンプルはBioIVT社(ニューヨーク州ヒックスヴィル)から入手した。サンプルはMILLIPLEX® Bovine Cytokine/Chemokine Panel 1のプロトコルに従ってアッセイした。
コンパニオンアニマルの研究のための下垂体ホルモンマルチプレックス解析の例
コンパニオンアニマルの研究におけるイヌ下垂体ホルモンマルチプレックスアッセイの例を以下に示します。
血清、血漿、および細胞/組織培養サンプル中のイヌ下垂体ホルモン(最大6種類のアナライト)を、MILLIPLEX® Canine Pituitary Expanded Panelを用いて定量しました。アナライトデータの例を図6に示します。
図6.市販の健常イヌ血清(n=22)および血漿(n=27)サンプルを、MILLIPLEX® Canine Pituitary Expanded Panelを用いて、プロトコルに従ってアッセイした。マゼンタの〇印は、各サンプルの標準曲線上の点を示す。
カスタマーインタビュー特集
ラットサイトカインパネルを用いたジカ熱研究に関するインタビュー
MILLIPLEX® Rat Cytokine/Chemokine Magnetic Bead Panel を用いたジカ熱研究に関するDr. Mukesh KumarのインタビューとVirology Journal publicationに掲載された論文をご覧ください。
Bovine Cytokine/Chemokine Multiplex Panelを用いた農学研究に関するQ&A
MILLIPLEX®パネルが農業用動物研究の進歩にどのように役立っているかについて、 Dr. Kyle McLean(PAS、Assistant Professor in Ruminant Reproduction、the Department of Animal Science at the University of Tennessee Institute of Agriculture)のインタビューをご覧ください。
現在の研究内容を簡単にご説明ください。
私は反芻動物の繁殖を中心とした研究をしており、特に妊娠初期の子宮環境、胎盤発生、胎児プログラミングに重点を置いています。
具体的に、ウシは研究にどのように関わっていますか?
ウシは私の研究対象です。
なぜウシを選んだのですか?
ウシは、経済的重要性と生物医学的可能性から、これまでも、そしてこれからもいつも私の研究の中心です。
MILLIPLEX® Bovine Cytokine/Chemokine Panel 1の使用は、研究やワークフローにどのように役立っていますか?
このパネルでは、他のどの方法よりも迅速に、より少ないサンプルでより多くのサイトカインを定量できます。これによって子宮環境のプロファイルを作成することもできました。
研究室では他にどのような研究を行っていますか?
子宮環境のアミノ酸プロファイルを確立しました。また、栄養が雄ウシの精漿の組成に与える影響についても研究しています。
研究の課題を解決できるとすれば、それは何でしょうか?
妊娠成立のメカニズムを理解し、そして妊娠中の母体と胎児の栄養所要量を確立することです。
この分野の研究を始めようとしている科学者に向けて何かアドバイスはありますか?
恐れることなく困難な疑問に立ち向かい、既成概念にとらわれずに物事を考えてください。
お探しのアッセイが見つからない場合は、ご要望に応じてアッセイを開発するための、カスタムアッセイサービスも提供しています。
研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。
主な論文
獣医学および動物衛生研究においてMILLIPLEX®マルチプレックスアッセイがどのように使用されているかをご紹介します。また、この高感度マウスサイトカインパネルの評価で、これらのキットをマウスモデルなどの動物研究モデルに使用する方法をご覧ください。
コンパニオンアニマル
イヌ
ネコ
農業用動物
ウシ
ウマ
ブタ
ヒツジ
研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。
続きを確認するには、ログインするか、新規登録が必要です。
アカウントをお持ちではありませんか?