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サステナブルな取り組み

サステナブルな取り組み

データの力を活用

30万品目以上の製品を有し、65カ国以上で2万3千人の従業員を擁するグローバル企業として、自社が環境に及ぼす影響を管理すること、そしてバリューチェーン全体にその取り組みを拡大していくことがいかに重要であるかを理解しています。

環境目標に対する真のコミットメントとは、進捗状況の評価と再評価を継続していくことです。環境パフォーマンスおよび改善を評価するには、ISO14001環境マネジメントおよびISO50001エネルギーマネジメントのフレームワークから、拠点レベルの月次データの収集とKPI分析まで、一連のツールを活用します。

ダイナミックダッシュボードでは、温室効果ガスの排出量、エネルギーと水の使用量、廃棄物の発生量をほぼリアルタイムでスナップショットとして表示します。このダイナミックダッシュボードは、拠点レベルおよび事業レベルのパフォーマンススコアカードに情報を提供、事業部門のリーダーシップチームが毎月見直し、ボトムアップとトップダウンの両面から、これらの分野の改善を促進します。

これらのツールを活用して、投資分野に関する実用的なデータを基軸とする意思決定を行い、プロジェクトに集中して取り組むことで、大幅な改善が実現できます。

エネルギー効率・水利用効率

私たちの最重点項目である「エネルギー効率・水利用効率プログラム」のもとで、既存の建物についてはすべてのエネルギー・水の削減活動を行い、拠点内の再生可能エネルギー源を一つに集約しています。 これにより、部門間、そして世界各地の拠点間でのベストプラクティスの共有が促進され、継続的改善の文化を促進することができます。 このプログラムでは、40人以上がエネルギー監査員としての研修を受け、社内プロジェクト特定の能力を高めており、コミットメントを果たすための専門知識を確かなものにしています。

水不足の影響を受ける地域が世界中に広がる中、責任ある水管理は、特に私たちも製品の製造を水に頼っていることから、きわめて重要です。 水使用量データの解析には、世界自然保護基金(WWF)のウォーター・リスク・フィルター(Water Risk Filter)や、世界資源研究所(WRI)のアキダクト・ウォーター・リスク・アトラス(Aqueduct Water Risk Atlas)などのツールを活用して、体系的なアプローチを取っています。これらのツールにより、拠点が立地する地域の水リスクを判断することができます。そのような状況は、補給されるよりも取水量が多い場合に発生します。また、規模が7万立方メートルを超えるすべての拠点は水管理計画を策定する必要があります。 水利用効率を高めるために、ある拠点での取水量を、その地域の水の利用可能性および稼働時間数に比して表す、水原単位スコアを作成しました。

目標:

  • 2030年までに、スコープ1およびスコープ2の温室効果ガス排出量を2020年ベースライン比で50%削減し、2040年までにカーボンニュートラルを達成する。
  • 水原単位スコアを2025年までに2020年ベースライン比で10%削減する。

「エネルギー効率・水利用効率プログラム」に資金を提供するため、毎年最大1,000万ユーロをグローバル事業に配分しています。 2012年以降、ニューハンプシャー州ジャフリーにある最先端のバイオマスセントラルヒートプラントなど、企業全体で450以上のプロジェクトを支援してきました。このプロジェクトでは、再生可能な燃料を使用して年間40万ガロン以上の石油消費量を相殺しています。

Edison in Action

図1.Edison in Action

再生可能エネルギー

サステナビリティ戦略を進める中で、社内・社外の両方において再生可能エネルギーポートフォリオの拡大に注力しています。 2021年、米国における新たな再生可能エネルギー容量68 MWに関する、メルク初のバーチャル電力購入契約(VPPA)を発表しました。 このプロジェクトでは、再生可能エネルギー戦略に追加性のコンセプトを適用しながら、米国における電力消費量の100%に対応する十分な電力を、クリーンな風力によって生み出す予定です。 さらに、再生可能エネルギーの目標に向けた取り組みとして、欧州市場の評価を積極的に行っています。

目標:

  • 2030年までに、電力の80%を再生可能エネルギー源から調達する。

スコープ3

スコープ3の排出量について、さらなる透明性を持たせることを重視しています。今後は、スコープ3のすべてのカテゴリーを、排出インベントリに組み入れます。 現在、スコープ3の排出量をより正確に算出するためのプロセスを策定・検証するとともに、追求可能な脱炭素化レベルの特定を行っています。

目標:

  • 2040年までに、スコープ3のバリューチェーンに沿って、ネットゼロカーボンオペレーションを達成する。

廃棄物および廃水

私たちは最高レベルの廃棄物管理の実践、つまりカスタマイズされたリサイクルプログラム、有益な再利用およびその他のソリューションにより、製造段階でのサステナビリティに取り組んでいます。また、発生防止、回収、リサイクルを固く信じています。 私たちは廃棄物の少ない新たな製造プロセスを開発することにより、廃棄物の発生防止に一丸となって取り組んでいます。 リサイクルの取り組みにより、新たな製品に変えることが可能な貴重な原材料を回収し、そうすることで循環型経済を支援することができます。また、可能であれば材料の有益な再利用の選択肢を追求します。 また、廃棄物およびリサイクルのパフォーマンスを評価するために、独自の廃棄物スコア(Waste Score)を作成しました。この指標は、改善の余地がある分野の特定に役立つもので、埋め立てと焼却を減らしながらリサイクルと廃棄物回避を増やすことにつながります。

私たちは規制要件を超え、独自の廃水目標を達成することを目指して、廃水中の残留物を最小限に抑えるべく、プロセスを最適化する取り組みを続けています。

目標:

  • 2025年までに、廃棄物スコアを2016年ベースライン比で5%削減する。
  • 2030年までに、廃水中の有害となる可能性のある残留物を、無作用閾値(科学的に定義された、それ以下では環境に悪影響を与えないと予測される最大量)未満に削減する。

サステナブルな建物

事業の拡大とともに、製造活動を支えるために新しい建物が追加されます。 私たちはライフサイクルインパクトを最小限に抑えるために、サステナブルな建物設計を新たな建設計画に組み込む機会を模索しています。 その一例が、インド・ベンガルールLEED® GOLD施設といえます。

インド・ベンガルールLEED® GOLD

  • ファサードとウィンドウボックスを利用して熱の侵入を最小限に抑え、空調の使用電力を削減しています。
  • フライアッシュ(飛灰)を活用したレンガやデッキ下の断熱材が建物の性能を向上させます。
  • エネルギー消費量を標準的な建物と比較して11%削減しています。
  • 室内空気の質は、ASHRAE 62.1規格を超える30%の換気率で改善されます。
  • 全体的な水の使用量が、標準的な建物と比較して40%削減されます。

サステナビリティ戦略の発展とともに、サステナビリティ原則のCapEx(資本的支出)決定への統合を強化する方法を模索しており、新築計画や大規模改修計画について、グローバルな環境に配慮した建設基準を策定する取り組みを開始しました。

サステナビリティ・インセンティブプログラム

従業員があらゆる面でサステナブルな生活を送ることを奨励し、その目的を達成するためのプログラムを提供しています。米国では、太陽光発電システムや太陽熱温水システムを設置、家庭用エネルギー診断を実施、ハイブリッド車や電気自動車を購入またはリースする従業員にインセンティブを提供しています。また、世界中の多くの拠点で電気自動車を充電することができ、従業員が費用を負担する必要はありません。

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