Rocheタンパク質安定化試薬
プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤カクテルタブレットでタンパク質を保護
自然界に存在するプロテアーゼとホスファターゼは、単離に何日も費やしたタンパク質を破壊してしまう可能性があります。しかし、タンパク質の単離、精製、および分解からの保護にかんするRocheの豊富な経験により、インタクトで高収量の機能性タンパク質を精製する貴重な時間とリソースを節約できます。Rocheの秤量不要で使いやすい阻害剤カクテルタブレットは、幅広い種類のプロテアーゼとタンパク質の脱リン酸化を迅速かつ効果的に阻害して、安定した結果が得られることを確認しています。。
プロテアーゼ阻害剤カクテルタブレット
RocheのcOmplete™プロテアーゼ阻害剤カクテルタブレットは、セリン、システイン、酸性、メタロプロテアーゼ、さらにカルパインも含む広範な種類を阻害します。本タブレットは、酵母、大腸菌、昆虫細胞、哺乳類細胞の溶解液において、プロテアーゼ阻害を厳密にテストして開発されています。タブレットは不可逆的および可逆的なプロテアーゼ阻害剤の両方を含みます。また固定化金属イオンアフィニティクロマトグラフィー(IMAC)でHisタグタンパク質を精製するためのEDTA不含製品も用意しています。cOmplete™タブレットは、使用量に応じて使いやすいように、ガラスバイアルにまとめて入っているタイプと、EASYpackブリスターパックに個別包装しているタイプを用意しています。cOmplete™タブレットを細胞溶解バッファーに1錠加えるだけで、プロテアーゼを効果的に阻害できます。
- 完全にインタクトなタンパク質の収量が増加:改良されたこのプロテアーゼ阻害剤カクテルを使用して、広範囲のプロテアーゼを迅速に阻害できます。
- cOmplete™で鉄壁な保護を実現:この阻害剤カクテルは、真核生物、酵母、細菌の細胞溶解液に最適化されています。
- 実験室の安全性を確保:cOmplete™ ULTRAタブレットを使用することで、危険な化合物との接触を避けることができます。
完全長タンパク質を確実に得られるようにするため、Rocheはより広範なプロテアーゼを阻害するcOmplete™ ULTRAタブレットを開発しました。この新しい組成では、スタンダードタイプのcOmplete™タブレットよりも阻害対象が広がるため、高い阻害率を示します。
図1.阻害剤カクテル別に見たCHO細胞溶解液中のプロテアーゼ活性の阻害率。
図2.阻害剤カクテル別に見たアスパラギン酸プロテアーゼ活性の阻害率
cOmplete™リシスキット
cOmplete™ リシスキットは、凍結融解、ソニケーター、ガラスビーズなどの従来法よりも簡単かつ迅速に細胞溶解を行います。細胞を溶解する際に、cOmplete™タブレットを加えるだけで、多数のプロテアーゼを阻害できます。
細菌の場合は cOmplete™ Lysis-B(2x)キットを使用して、大腸菌などから少量のタンパク質を効率的かつ穏やかに抽出し、同時に溶解液中のプロテアーゼを阻害します。
図3.細菌溶解試薬の比較。
ホスファターゼ阻害剤カクテルタブレット
RocheのPhosSTOP™タブレットは、タンパク質の本来のリン酸化状態を維持して、酸性、アルカリ、セリン/スレオニン、チロシン、二重特異性ホスファターゼなど、さまざまな種類のホスファターゼの阻害を可能にします。哺乳類、昆虫、植物細胞などに加え、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織切片のホスファターゼも阻害します。PhosSTOP™タブレットを10mLのバッファーに1錠添加するだけで、in vitro試験時のタンパク質の脱リン酸化を迅速かつ効果的に阻害できます。タンパク質を最大限に保護したい場合には、cOmplete™ ULTRAタブレットとPhosSTOP™タブレットを同じバッファーに加えて、プロテアーゼとホスファターゼの両方を同時に阻害します。
図4.Rocheのプロテアーゼ阻害剤カクテルをホスファターゼ阻害剤と組み合わせた場合の、大腸菌溶解液におけるプロテアーゼ活性の阻害率
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