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蛍光マイクロ粒子・ナノビーズ

マイクロ粒子は、医学、生物化学、コロイド化学、およびエアロゾル研究において広範に利用されています。その用途として、クロマトグラフィー分離媒体、固定化された酵素の支持体、および液晶ディスプレイのスペーサーなどが挙げられます。蛍光標識されたマイクロ粒子は、フローサイトメトリー、共焦点レーザー走査顕微鏡法、および光散乱装置で標準物質として役立ちます。また、環境科学でも、レーザードップラー風速測定法(LDA:laser Doppler anemometry)、粒子動的解析(PDA:particle dynamic analysis)、および粒子画像流束測定法(PIV:particle image velocimetry)のような気体および液体の流量測定のトレーサーとして使用されています。

メラミン樹脂粒子

私たちは、メラミン樹脂(MF)に基づく新世代の単分散ポリマーマイクロスフェア(図1)を提供しています。メラミン樹脂マイクロスフェアは、表面活性剤なしで、70~100℃の温度範囲のメチロールメラミンの酸触媒水熱重縮合によって作製されます。pH値、メチロールメラミンの濃度、および反応温度を調節することで、0.5~15 μmの予測可能なサイズの単分散粒子をワンポット合成で作製することが可能です。メラミン樹脂粒子は優れた物理的および化学的性質を示し、他の従来のポリマー粒子に対して多くの利点を提供します。

Microparticles GmbH

図1.7-アミノ-4-メチルクマリンで標識された10 μmメラミン樹脂粒子の蛍光顕微鏡画像(Microparticles GmbHの許可を得て転載)。

メラミン樹脂粒子の物理的・化学的性質

  • 密度:1.51 g/cm3
  • 屈折率:1.68
  • 優れた単分散性(C.V.<3%)および均一性の高い球状
  • 親水性表面
  • 高い架橋密度
  • 最高300℃の高い熱安定性
  • 優れた機械的強度
  • 酸および塩基に対して安定で不溶
  • 有機溶媒中で極めて高い安定性、有機溶媒と接触した際の膨潤または収縮なし
  • 分散液中で非常に優れた長期安定性。添加剤または安定剤不要
  • 水性懸濁液は、凍結融解サイクルの反復に対して安定
  • 粒子は水性分散液から直接乾燥可能
  • 乾燥した粒子のフリーフローの粉末は、凝集なしにどの分散剤にも再分散可能

未修飾のMF粒子は、高密度の極性のトリアジン-アミノおよびイミノ基があるため、帯電した疎水性の表面を持ちます。表面官能基(メチロール基、アミノ基など)は、他のリガンドが共有結合的に付着することを可能にします。特別な用途では、カルボキシ基などの他の官能基を取り込むことでMF粒子を修飾することが可能です。これにより、発色団や蛍光体標識などの表面誘導体化の可能性が増加します。メラミン樹脂マイクロスフェアは、白色粒子として、または蛍光標識を内部に取り込んだものとして入手可能です。両方の粒子の種類について、表面が未修飾またはカルボキシ基で修飾されたものが入手可能です。

蛍光標識およびカルボキシ基修飾マイクロ粒子

蛍光メラミン樹脂マイクロスフェアは、さまざまなサイズ、蛍光色素の種類、および表面官能基で調製可能です。MF蛍光粒子に使用される典型的な色素を以下に示します:

  • FITC、緑色蛍光(λEx = 506 nm、λEm = 529 nm)
  • ローダミンB、橙色蛍光(λEx = 560 nm、λEm = 584 nm)
  • ナイルブルーA、赤色蛍光(λEx = 636 nm、λEm = 686 nm)

蛍光MF粒子(図2)の非常に優れた特性として、狭いサイズ分布と強い色および蛍光があります。体積に対して均一に染色された粒子は、内部に取り込まれた蛍光色素の溶出がなく、従来の白色MF粒子と比較して有機溶媒中で高い安定性を示します。蛍光MFビーズは、高密度の官能基(樹脂1グラムあたり> 0.1 mmole)を含有するカルボキシ基修飾表面のものも入手可能です。

FITC標識MF粒子およびローダミンB標識MF粒子の蛍光顕微鏡画像

図2.FITC標識MF粒子(緑色で表示)およびローダミンB標識MF粒子(赤色で表示)の蛍光顕微鏡画像

蛍光ナノビーズ(ナノ粒子)

ナノスケール系の理解は最近数年間で急速に進歩しており、これらの興味深い化学的発展は、新世代の先端技術製品およびプロセスに結びついています。ナノテクノロジーは、化学物質からエレクトロニクス、センサ、先端材料にいたる広範囲の用途に影響を及ぼす可能性があります。ナノ粒子は、DNA用の薬物担体としても使用されています。

ナノテクノロジーの1つの主要な側面が蛍光ナノ粒子の開発です。蛍光ナノ粒子は、光学データストレージや、生物化学、バイオアナリティクス、および医学分野の用途に利用できる可能性があります。現在の蛍光イメージング法は、主に色素マーカーに基づいており、光安定性や分子1個あたりの発光に限界があります。ナノ粒子は、より強く安定した蛍光信号を提供することで、これらの限界を克服します。蛍光標識ナノ粒子は、多様なイムノアッセイに使用されて成功を収めています。ラテックス凝集アッセイの制限要因の一部は、背景の吸光度を抑えてコロイド安定性を改善する非常に微小な粒子を使用することで回避できます。

基礎材料

蛍光ナノビーズ(ナノ粒子)は、多様なポリマーから調製可能であり、それぞれのポリマーに特定の利点があります。

ポリアクリロニトリル(PAN)ナノ粒子は、FRET用途に最適です。標識を付けたとき、蛍光が強く非常に小さい(直径30 nm未満)粒子です。PANは干渉する物質の濃度が低く、表面をカルボキシ基またはストレプトアビジンで修飾したナノ粒子が入手可能です。すべての粒子は、0.5%(w/w)緩衝水性懸濁液(10 mM MES、pH 7)として供給されます。

PDは、ポリスチレンに類似した特性を提供する新しいポリマーです。酸素透過性が非常に低いため、ほとんどの色素において光安定性が向上します。粒子サイズは約40 nmで、粒子表面はカルボキシ基などで修飾することが可能です。すべての粒子は、0.5%(w/w)緩衝水性懸濁液(10 mM MES、pH 7)で供給されます。

カスタム粒子

ストレプトアビジンなどの特別な修飾を施した、カスタムのマイクロ粒子およびナノビーズも入手可能です。カスタムのマイクロ粒子およびナノビーズについては、メルクまたは販売店までお問い合わせください。

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