ポリフェノールカテキン類の分析用標準物質と、それら類縁化学構造物質分離向けHPLCカラム
健康志向が高まる今日の世界では、カテキンがホットな話題になっています。最近の研究では、以下のような作用によってカテキンが健康を手助けすることがわかってきました。
- アテローム性プラーク形成の低減
- がん細胞の転移に関与する酵素の阻害、発がん促進物質の除去、化学発がん物質の遮断による腫瘍成長の抑制
- 高血圧の低減
- 消化器および呼吸器感染からの保護
- コレステロール値の低下
- 血糖値の低下
- 腎臓結石の予防
- 関節リウマチの発症機会の低減
- より強い骨の産生
- 炎症の軽減
カテキンは強い抗酸化作用のほか、顕著な抗菌性、抗ウイルス特性、および抗炎症性を示す一連のポリフェノール化合物です。カテキンはCamellia sinensis(茶)の葉に高濃度で存在し、チョコレート、ブドウ、ラズベリー、リンゴ、ナシ、およびワインにも含まれます。白茶の製造に使用されるCamellia sinensisの若い葉と芽が最も高い濃度を示し、緑茶の製造に使用されるやや成熟した葉がそれに続きます。ウーロン茶と紅茶の製造に使用される熟成した葉は酸化が進んでおり、テアフラバニンやテアルビジンなど別のポリフェノールをさらに高い濃度で含んでいます。
カテキンは、その他の抗酸化物質と同様に細胞を酸化ストレスから守るのに役立ちます。酸素は生命の維持に不可欠ですが、過酸化水素、次亜塩素酸、ヒドロキシルラジカルやスーパーオキシドアニオンといったフリーラジカルなどの活性酸素種にも取り込まれます。活性酸素種は細胞を損傷し、心臓病、がん、およびその他多くの病気につながる損傷の緩やかな連鎖反応に関わってきました。抗酸化物質は活性酸素種の形成を抑制したり、活性酸素種が細胞を損傷する前にそれらと反応したりして機能します。
Camellia sinensisの葉は少なくとも8種のポリフェノールカテキン類を含みます。茶葉中に主に見られる6種のカテキン類はカテキン、ガロカテキンガレート(GCG)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)、およびエピガロカテキンガレート(EGCG)であり、EGCGが最も豊富に含まれています。
分析上の課題
カテキン濃度を測定する分析者には、カテキン標準溶液が市販されていないという課題が突きつけられます。1つのオプションは、個々のカテキン化合物から標準溶液を自家調製することです。これは、一般に以下の理由からコスト効率の良い解決法とは言えません:
- 高純度のカテキン化合物を見つけることは難しく、極めて高価なことが多い。
- カテキンは、未希釈、溶液中のいずれでも適切に保管する必要がある。
- カテキンは熱、光、および空気の影響を受けやすい。
- 標準溶液の調製は時間を要するプロセスである。
解決策
これらのニーズに応えるため、8種のカテキン分析用標準物質を開発しました。Supelcoブランドのこれらの標準物質は、化学分解を最小限に抑え、有効期間が最長化されるように調製、分注、包装、および保管しています。各標準物質には純度測定を含む分析証明書が同梱されます。私たちは、化学標準物質は各ユーザーに応える特注品として濃度、成分、および溶媒を組み合わせて調製することも可能です。さらに、Ascentis RP-Amideカラムを使用した堅牢なLC-UV法も開発しました(図1)。この方法はMS検出にも対応します。この方法により、再現性のある分析結果と優れたピーク形状が得られます。
図1.6種の主な緑茶カテキン(565324-U)のHPLC分析
参考文献
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