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ホーム低分子HPLC高麗人参などの含有するサポニン系活性成分・ジンセノサイド類のHPLC測定

高麗人参などの含有するサポニン系活性成分・ジンセノサイド類のHPLC測定

Hugh Cramer, Matthias Nold

Analytix Volume 3, 2015

注目を集めるジンセノサイド類

ジンセノサイド類は主に朝鮮人参(Panax属)に含まれ、世界各地、中でもアジア文化圏で生薬として広く利用されています。ジンセノサイド類の大部分はダンマランファミリーに属し、天然ステロイドグルコシドのトリテルペンサポニンです。ジンセノサイド類はPanax全体に見られるものの、単離は一般に植物の根に集中しています。抽出は、TLCやその他のタイプのクロマトグラフィーによって実現されます。

多くのジンセノサイド類は、C-3位とC-20位にさまざまな糖部分を結合したダンマラン骨格(17個の炭素から構成される4環構造)からなります。30種を超えるジンセノサイド類が同定され、20(S)-プロトパナキサジオール(PPD)と20(S)-プロトパナキサトリオール(PPT)の2つのカテゴリーに分類されます。

Panax quinquefolius(アメリカ人参)中のジンセノサイド類の分離

人参根

人参根

Panax植物属に属する朝鮮人参は最も有名な生薬の1つです。何世紀にもわたって伝統的な漢方薬として利用されてきましたが、西洋諸国でも一般的になってきました。朝鮮人参の根に由来する医薬品は、多くの健康問題、中でも不安障害、喘息、糖尿病、頭痛、ストレス、うつ病、勃起不全などの治療や予防に利用されます。

Panax固有の化合物は、ジンセノサイド類と呼ばれるサポニントリテルペノイドグルコシドです。これらの化合物が人間に及ぼす潜在的な効果が研究されています。

分析したジンセノサイド類の化学構造

分析したジンセノサイド類の化学構造

分析したジンセノサイド類の化学構造

図1.分析したジンセノサイド類の化学構造

アメリカ人参中のジンセノサイド類の分離


Ascentis® Express C18カラムを使用して異なる7種のジンセノサイド類を良好に分離できました。最初に、ジンセノサイドの標準物質混合物を使用してアプリケーションを最適化した後(図2)、アメリカ人参根の試料に適用しました(図3)。対象とした7種の被分析物質は、ジンセノサイド類のRB1、RB2、Re、Rc、RD、Rf、およびRg1図1)です。実験条件とクロマトグラムを下表に示します。

標準物質混合物(各成分は82:18、水:メタノール中に50 μg/mL)のクロマトグラム

図2.標準物質混合物(各成分は82:18、水:メタノール中に50 μg/mL)のクロマトグラム

アメリカ人参根抽出物のクロマトグラム

図3.アメリカ人参根抽出物のクロマトグラム

表1.実験条件

ジンセノサイド標準物質 

メルクは、本稿で述べた7種のジンセノサイド類を含む朝鮮人参由来の幅広い活性化合物を分析標準品として提供しています。数種のジンセノサイド類は、内容物の割り当てに定量NMRを使用しており、HWI Analytikが製造した医薬品一次標準物質としてご利用できます。

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