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Titan C18カラムを用いた水溶性ビタミン類のHPLC分析

Olga Shimelis

Reporter US

Volume 33.1

はじめに

ビタミン類は正常な代謝に必須の重要な化合物であり、多くの食品中に自然に含まれていますが、加工食品に添加されることも多くあります。水溶性ビタミン類としては、チアミン(B1)、リボフラビン(B2)、ナイアシン(B3)、ピリドキシン(B6)、パントテン酸(B5)、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、シアノコバラミン(B12)などの化合物が挙げられます。ビタミン類は比較的不安定で、熱、光、空気、その他の食品成分などの多くの要素に影響されるため、ビタミン類の定性、定量分析は日常的に行われるにもかかわらず容易ではありません。本レポートでは、Titan™ C18 UHPLCカラムを用いて標準混合液中およびビタミン水中のビタミンB群を分析しました。

実験

分離には、Agilent 1290 UHPLCシステムを用いました。UV検出波長は220 nmに設定しました。本研究で使用したカラムはTitanC18 1.9μmの5 cm x 2.1 mm内径です。カラム温度は35ºCに設定しました。ビタミンB群は非常に親水性なので、逆相条件で低濃度のメタノールと酸性移動相のグラジエントを使用しました。

水溶性ビタミン類は弊社の製品を用いました。ビタミンB群のほとんどは水に溶解しました。リボフラビンとビオチンは1 M KOHに溶解し、その溶液は毎日調製しました。

オレンジ風味のビタミン水は食料品店で購入し、0.2μmのシリンジフィルターでろ過して試料調製しました。

結果と考察

ビタミンB群は、低濃度のアセトニトリルまたはメタノール溶液を用いれば逆相カラムから溶出できます。pH 3では、わずかな種類の化合物(チアミン、ピリドキシン、ナイアシンアミド)がC18 Titanカラムに極めて弱く保持され、わずか0.5%のメタノールで溶出されました。ビオチン、シアノコバラミンおよびリボフラビンビタミン類は、これらより疎水性が強く、より強く保持されたので、グラジエント溶出にはメタノール濃度を30%に上げる必要がありました。Titan C18カラムは9種のビタミン類すべてに対し良好な保持を示し、ピークのベースライン分離はすべてのビタミンで容易に達成されました(図1)。すべてのビタミン類が良好なピーク形状で2.5分以内に溶出しました。Titan C18カラムは2ミクロン未満の粒子を含んでいましたが、メタノール溶液の動相を用いた場合でも全背圧が過大になることはありませんでした。メタノールは圧縮性が低く、背圧はアセトニトリル溶液の移動相を用いた場合より高くなることが知られています。Titanカラムの背圧は、分離の間、550 barに達しました。粒子が小さいため速く分離できました。

開発したHPLC法をビタミン水中のビタミンB群の分析に適用しました。飲料水をろ過してからHPLCに注入しました。希釈の必要はありませんでした。標準混合液との比較により、4種のビタミンB群のピークを同定しました(図2)。

Titan C18カラムを用いた9種のビタミンB群の分離

図1. Titan C18カラムを用いた9種のビタミンB群の分離

パントテン酸カルシウム、リボフラビン、ビオチンは250 μg/mL、その他は100μg/mLで標準溶液を調製しました。
条件:カラム:Titan C18、5 cm x 2.1 mm、1.9 μm(製品No. 577122-U);移動相:[A] 20 mMリン酸カリウム、pH 3.0;[B]メタノール;グラジエント:0.5% Bを0.5 min、30% Bに増やして1.3 min、30% Bで保持1 min、0.5% Bで再平衡に0.8 min;流量:0.5 mL/min(背圧は550 bar以下);検出器:UV、220 nm;注入:0.5 µL

Titan C18カラムを用いたビタミン水の分析

図2. Titan C18カラムを用いたビタミン水の分析

条件:カラム:Titan C18、5 cm x 2.1 mm内径、1.9 μm(577122-U);移動相:[A] 20 mMリン酸カリウム、pH 3.0;[B]メタノール;グラジエント:0.5% Bを0.5 min、30% Bに増やして1.3 min、30% Bで保持1 min、0.5% Bで再平衡に0.8 min;流量:0.5 mL/min(背圧は550 bar以下);検出器:UV、220 nm;注入:0.5 µL

結論

Titan C18カラムを分析に使用した結果、9種の水溶性ビタミン類の混合液について、2.5分で良い分離が得られました。酸性pH下、メタノール溶液のグラジエントで分析した結果、極性化合物がC18カラムで保持されました。この方法を、ビタミン水の分析に適用し、水に添加した4種のビタミンB群を同定しました。

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