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ホーム1分子カウント(SMC®)技術免疫学研究における高感度イムノアッセイ

免疫学研究における高感度イムノアッセイ

免疫学研究には、免疫腫瘍学、自己免疫学、ウイルス研究領域などの多くのタイプの研究が含まれます。インターフェロン、インターロイキン、免疫グロブリンなどのバイオマーカーを検出するためのイムノアッセイは、この研究に不可欠です。1分子カウント(SMC™)高感度イムノアッセイキットなどの高感度イムノアッセイを用いて、免疫学研究を推進する方法について説明します。

免疫学研究のためのイムノアッセイにおける感度の重要性

イムノアッセイは、インターフェロン、インターロイキン、免疫グロブリン、その他のサイトカイン/ケモカインなどのバイオマーカーの解析に役立つため、免疫系の研究に重要な役割を果たします。感度が高いほど、対象となるバイオマーカーを徹底的に特性評価できるため、免疫学研究においてイムノアッセイの感度は重要です。この能力により、免疫パスウェイを深く掘り下げ、免疫メカニズムをより深く理解できます。

SMC™ 高感度イムノアッセイ

1分子カウント(SMC™)高感度イムノアッセイキットを利用することで、より深いレベルで免疫バイオマーカーを解析できます。これらのアッセイは、SMCxPRO®高感度イムノアッセイプラットフォームのピコグラム以下の感度と使いやすさを組み合わせることで、低濃度のバイオマーカーを検出できます。以下のデータにより、免疫学研究におけるSMC™キットの使用例を紹介します。

インターフェロンの研究

インターフェロンは、防御的な免疫エフェクター機能の仲介に関わるシグナル伝達タンパク質です。IFN-α2やIFN-β1などのI型インターフェロンは、抗ウイルス免疫機能があることから感染症の治療薬候補となっています。一方II型インターフェロンのIFN-γは、獲得免疫と自然免疫の両方で機能することから、腫瘍学と自己免疫学における有用性が指摘されています。

高感度SMC™キットは、免疫学の基礎研究だけでなく、急性感染症やインターフェロンをベースとした治療法の薬物動態プロファイリングなどの臨床研究においても、広く使用されています。これらのキットは、IFN-α2IFN-β1IFN-γの解析に利用できます。図1に、これらのキットの内因性レンジを示し、表1にアッセイ性能の詳細を示します。

インターフェロンの内在性レンジを示すグラフ。健常ヒト血漿サンプルを、IFN-α2(青)、IFN-β1(ピンク)、IFN-γ(シアン)のSMC™ 高感度イムノアッセイキットを用いて解析した。各アッセイあたり5つのサンプルから成る異なるセットで解析した。

図1.健常ヒト血漿サンプルを、IFN-α2(青)、IFN-β1(ピンク)、IFN-γ(シアン)のSMC™ 高感度イムノアッセイキットを用いて解析した。各アッセイあたり5つのサンプルから成る異なるセットで解析した。

表1.SMC™ IFN-α2 / IFN-β1 / IFN-γ高感度イムノアッセイキットのアッセイ性能

インターロイキンの研究

インターロイキンのプロファイリングは免疫応答を理解するために重要です。例えば、ヒトインターロイキン-2(IL-2)は、主に活性化したCD4+およびCD8+Tリンパ球によって産生されるシグナル伝達サイトカインで、抗原特異的な適応免疫応答の活性化と制御に関与します。IL-2は、T細胞のメモリー細胞と制御細胞への分化に関わり、腫瘍学および自己免疫学の研究、数十年間にわたるトランスレーショナルな疾患研究において注目されてきました。

SMC™ Human IL-2 High Sensitivity Immunoassay Kit は、以下の特徴を備えており、薬理学および臨床研究において、これまでよりも効率的にIL-2を徹底的に特性評価できます。

  • アッセイ感度の向上
  • 幅広い標準曲線レンジ
  • 徹底した検証
  • シンプルなアッセイプロトコル

COVID-19の研究

SARS-CoV-2研究などのウイルス研究は、新しいワクチンの評価、新しいウイルス変異体の特性評価、そしてウイルスの理解をさらに深めるために役立ちます。イムノアッセイ技術は、多くのSARS-CoV-2研究プログラムで重要な役割を果たしています。免疫グロブリン(Ig)などのバイオマーカーの解析によって、既にウイルスに感染しているヒトの免疫応答を同定し、特性評価することができます。しかし、従来のアッセイプラットフォームとアッセイでは得られる感度と分解能に限界があり、重要な研究上の課題を解明できないことがあります。

SMC™ SARS-CoV-2 RBD IgG Kitの比類なき感度と分解能によって、重要なCOVID-19関連ワクチン開発、疫学、および調査研究におけるデータを改善できます。この高感度イムノアッセイ技術は、SARS-CoV-2を介した低レベルの抗体反応の特定および体液性免疫の個体差の解明を含めた、研究ニーズに対処するための新製品の開発に利用できます。このキットを使用することで、社会におけるSARS-CoV-2感染の正確な把握、ワクチン接種後の免疫応答の徹底的なプロファイル、個人間と亜集団間の感染の不均質な反応の理解が可能になります。

SMC™ SARS-CoV-2 RBD IgG Kitの特徴:

  • 使いやすいSMCxPRO®高感度イムノアッセイシステム用
  • 定性アッセイ:研究用(Research Use Only、 RUO)
  • SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)に対する低レベルのIgG応答の検出が可能
  • 2 μLのヒト血清または血漿サンプル中の抗体を検出可能(PCR検査陽性後3日以内)
  • 交差反応性を最低限に抑えながら、感度と特異性を最大化するために開発
  • シンプルなアッセイプロトコル(1時間のキャプチャステップ、30分間の検出ステップ)
  • ワクチン開発、疫学、および公衆衛生研究に利用可能

研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。

SMC™アッセイの各ステップの図とPCR陽性後3日以内に免疫応答を同定できることを示す、SMC™ SARS-CoV-2 RBD IgG Kitのデータ例。

図2.SMC™アッセイの原理とSMC™ SARS-CoV-2 RBD IgG Kitのデータの例

図2に、アッセイ原理の説明と、RBD IgGキットのデータ例をいくつか示します。

A)独自の溶出ステップおよびデジタル分子カウント。SMC™ SARS-CoV-2 RBD IgG Kitでは、従来のイムノアッセイと比較して、ヒト血清および血漿中の低濃度の抗原特異的IgGを検出可能

  1. SARS-CoV-2特異的抗RBD抗体を含む血清または血漿サンプル
  2. SMC™ビーズがサンプル中のSARS-CoV-2抗RBD抗体を特異的に捕捉
  3. 蛍光標識抗IgG検出抗体が結合して複合体を形成
  4. 複合体を化学的に解離し、検出抗体を溶出
  5. 検出抗体を読み取りプレートに移し、SMCxPRO®プラットフォームでカウント

B)SMCxPRO®高感度イムノアッセイシステムで測定したシステムのレスポンス値(RE)。5名のドナー血漿をキットの標準希釈液またはpre-COVID血漿で希釈。0は、希釈液またはpre-COVID血漿のみを示す。

C)7つのサンプルコホートの約300名のドナー血漿サンプルの総計データ。カットポイント例として、システムのレスポンス値(RE)を400および600としたときに、YoudenのJ統計により高い感度と特異性を達成。(1=パンデミック前、2~3=SARS-CoV-2 PCR陰性、4~6=SARS-CoV-2 PCR陽性、7=インフルエンザ交差反応性コントロール)

D)パンデミック前および経時的にグループ分けしたSARS-CoV-2陽性患者の血漿におけるSARS-CoV-2 RBD特異的IgG検出。このアッセイによって、PCR陽性後3日以内に免疫応答を同定可能。

また、SMC™ SARS-CoV-2 S1 IgA Kitは、RBD IgGキットを補完し、感染者ならびにワクチン臨床試験被験者のサンプル中の体液性免疫を高感度に特性評価します。一方、豊富なSMC™サイトカインアッセイは、COVID-19エフェクター免疫の評価に使用できます。

研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。

関連製品

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研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。

関連ウェビナー

免疫学研究におけるSMC™技術のケーススタディについては、以下のウェビナーをご覧ください。

研究目的での使用に限定されます。診断目的では使用しないでください。

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