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Merck

クロスリンカー

バイオコンジュゲートの形成を表す一般的なバイオコンジュゲーション

バイオケミストリーのあらゆるニーズに応える幅広いリンカーおよびクロスリンカーを提供しています。タンパク質試薬は、特に、タンパク質とタンパク質、タンパク質とペプチド、ペプチド/タンパク質と低分子の相互作用や、アッセイや精製の際の固相担体へのタンパク質固定化における構造の安定化や、ペプチドと核酸、核酸と核酸のコンジュゲーションに適しています。汎用性に優れた私たちの豊富なリンカーおよびクロスリンカーのポートフォリオから最も効率的で最適な試薬を見つけ、研究の躍進にお役立てください。   


ホモ二官能性リンカーとヘテロ官能性リンカー

ホモ二官能性リンカーとヘテロ官能性リンカーは、1級アミン、スルフヒドリル、酸、アルコール、ブロミドなどのさまざまな官能基を有しています。リンカーの多くは、マレイミド(スルフヒドリル反応性)基とスクシンイミジルエステル(NHSエステル)構造、またはイソチオシアネート(ITC)構造を持ち、アミンと反応します。片方の末端を保護した(Boc基、Fmoc基、Cbz基)リンカーも幅広く取り揃えています。

クロスリンカー

クロスリンカーは2つまたは3つの反応性末端を持つ分子で、「活性化」すると共有結合によって特定の官能基(アミンやスルフヒドリルなど)に結合します。架橋反応の有用性は、次のような用途で知られています。

  • タンパク質の構造や機能の決定
  • タンパク質やその他の生体分子の固定化
  • 一般的な生体分子と生体分子のコンジュゲーション
  • 抗体薬物複合体

最もよく用いられるクロスリンカーには、マレイミド(スルフヒドリル反応性)基を持つものや、スクシンイミジルエステル(NHSエステル)構造を持つものがあり、これらはアミンと反応します。あらゆる官能基に対応し、リンカーの長さや溶解性の異なるリンカーを取り揃えています。スルホスクシンイミジルエステルは、クロスリンカーの水溶性を高め、有機溶媒を使えない大型の生体分子との反応に有用です。切断可能なリンカー(ジスルフィドなど)を持つクロスリンカーは、永久的な結合を必要としない用途に適しています。

クロスリンカーの選択

用途に適したクロスリンカーを選ぶ際には、試薬の化学的・物理的特性、結合させる官能基、リンカーの長さ、分子サイズ、水溶性、切断可能性などの要素を検討する必要があります。

化学的特異性:クロスリンカーを設計する際の基本として、そのクロスリンカーがホモ二官能性か、あるいはヘテロ二官能性かということがあります。ホモ二官能性の化合物は両末端で同じ官能基と反応するため、同じ種類の結合によって2分子間に共有結合による架橋を形成します。ホモ二官能性のクロスリンカーは、一段階の反応による同じ官能基の重合や、分子間架橋の形成、タンパク質相互作用の評価に用いられます。ヘテロ二官能性のクロスリンカーは、両側の末端に異なる基を持つため、それぞれが異なる官能基と反応します。ヘテロ二官能性のクロスリンカーは、不要な架橋や重合を避けるためのコントロールされた二段階反応に用いられます。

標的とする官能基:アミノ基、チオール基、ヒドロキシル基は主要な求核基で、適切な条件下で多くのバイオコンジュゲーション試薬上の求電子性反応基と直接反応します。一方、カルボキシル基、アルデヒド基、有機リン酸基、反応性水素基は、他の官能基と共有結合を形成する前に、特殊な活性化試薬や二次カップリング試薬を必要とします。

クロスリンカーの長さ:リンカーを選ぶ際には、標的とする分子のコンジュゲーション前後の大きさや全長を考慮する必要があります。生成する化合物の分子長は、主にリンカーのスペーサーアームで決まります。この長さは、分子モデリングソフトウェアを使って計算できます。

クロスリンカーの切断可能性:生体分子の相互作用を解析するために、架橋によって捕捉した後で単離する場合は、スペーサーアームが切断可能なクロスリンカーを使用する必要があります。この他、切断可能なクロスリンカーは、タンパク質の相互作用の研究に用いるラベル転移試薬としても使用されています。ジスルフィドリンカーは、特に多く使用されている切断可能なクロスリンカーです。切断可能なエステルリンカーやスルフォンリンカーも取り揃えています。

クロスリンカーの疎水性・親水性特に細胞膜の透過に関わる用途では、リンカーの疎水性が利点となることがあります。強い極性基を持たない疎水性のリンカーは、速やかに膜を通過し、細胞内のタンパク質を架橋または標識化します。しかし、負電荷を持つスルホ-NHS基を有する親水性のリンカーは、負電荷を持つために細胞膜の外面上のタンパク質としか反応しません。電荷を持つ、または電荷を持たないリンカーを選ぶことで、細胞表面の標識化と細胞内の標識化を切り替えられるのは、親水性のクロスリンカーを使用するメリットの一つです。



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