ISO 17025によれば、すべての試験所は作業公差を計算する必要があります。ここでは、お客様に固有の作業公差の計算方法に関するヒントをご説明します。
ISO 17025規格に従って作業を行うすべての試験所は、測定不確かさを個別に推定するために、各参照物質だけでなくすべての試験作業者に関する管理図を作成しなければなりません。
試験所の作業公差を規定するには、標準物質測定の標準偏差を計算してから、試験所に求められる許容誤差範囲を表明するという手順が推奨されます。そのためには、必要な信頼区間を考慮する必要があります。
- 標準偏差の2倍の場合には95%信頼区間が得られます。
- 標準偏差の3倍の場合には99%信頼区間が得られます。
規定された信頼区間を管理図に上限および下限としてマークしてください。
標準物質は定期的に、できれば毎日測定する必要があります。測定手順は、該当する標準物質または内部仕様書から得られます。測定方法が広い測定範囲をカバーしている場合には、正常な結果の範囲に含まれる2、3種類の標準物質を測定する必要もあります。
メルクのSpectroquant®テストキットについては、それぞれの方法の精度を品質証明書および添付資料で表明しています。これを用いれば、作業公差の推定が容易に行えます。また、作業公差は使用するセルの光路長にも依存します。
精度は、それぞれのテストの95%信頼区間の平均値に基づいて計算されます。これは、指定されたブランク誤差とともに長年にわたる経験を通じて計算されてきました。標準セルのブランク誤差は、テストキットの各バッチの証明書に記載されています。
これらの参照物質は、すべての光度測定法(標準物質およびテストキット)をチェックするために使用でき、非光度測定法にも使用できます。非光度測定法の場合は、お客様に固有の測定不確かさの予測を行う必要があります。メルクのテストキット向けに提供されるガイドラインと作業公差は、別の方法や、別の製造業者が供給するテストキットには使用できません。
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