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食品・飲料製造における消毒管理の方向づけ

Saskia Neubacher, Product Manager, Point of Use

Merck

Article from Analytix Reporter - Issue 13

消毒管理の概要

消毒とは、細菌やその他の病原生物を撲滅するか、または健康に危害が及ばないレベルまでこれらを削減する化合物を使用して清掃するプロセスのことです。消毒管理は、食品製造における重要なプロセスであり、複数のステップ、すなわち正しい濃度の消毒試薬を確実に使用すること、消毒が十分に行われたことを確認すること、および汚染残留物を一切残さずに消毒が達成されたことを検査することにより構成されます。消毒管理では、消毒剤によって生じる化学反応を利用して、これらが存在するかどうかが評価され、これらの正確な濃度が測定されます。

一方で、衛生モニタリングについて知ることも重要です。これは全般的な予防を行う関連プロセスであり、プロセスが重複することもあります。衛生モニタリングでは、清掃手順が適切に実施されたことと、汚染残留物が残っていないことを保証する必要があり、追加的にアレルゲンのモニタリングや微生物増殖の予防が含まれる場合もあります。

これらのいずれのプロセスも、食品が媒介する病気を予防することが安全製造を維持する重要な目的である食品および飲料業界において極めて重要です。ここでは、消毒管理に注目し、その方法と装置類の数多くの選択肢の中から方向づけするための方法を取り上げます。

消毒剤の選択で考慮すべき事項

消毒剤の選択における主な関心事項の1つは、最終製品の品質を維持することです。そのため、食品・飲料業界で用いる消毒剤には、毒性のものや、有害残留物を残すものは使用できません。また、製造工程の中断を最小限に抑えるために、即効性である必要もあります。さらに、最終製品に影響を及ぼすおそれのある匂いや味を残すものも使えません。すべての残留物を容易に除去するためには、例えば消毒の完了後に洗い流せるような、水溶性に優れている消毒剤が有用です。

消毒剤と、製造に用いる機器および方法との適合性も重要です。例えば、機器に損傷を与えることなく、消毒対象の表面のタイプや材料によく作用する必要があります。また、温度やpHなどの他の物理的要素に関しても適合性を示す必要があり、使用される条件下で有効性を維持できなければなりません。

最後に、消毒剤に必要な消毒管理の方法も、消毒剤の選択に影響を及ぼすことがあります。

測光分析による消毒管理

一般的に使用される消毒剤、例えば過酸化物、過酢酸、塩素、第4級アンモニウム化合物、オゾンなどの評価に使用できる測光法は数多くあります。これらのタイプの測定に使用できる装置の選択肢には、Spectroquant® Prove分光光度計などの先端技術による卓上型装置と、Spectroquant® Move比色計ファミリーなどの便利な携帯型装置の2つがあります。

卓上型分光光度計

実験室環境で行われる消毒管理には、Spectroquant® Proveなどの卓上型分光光度計を使用できます。これらの装置の主な長所の1つに、広い測定範囲が挙げられます。例えば、消毒管理法によって超低濃度の検出が求められている場合には、Spectroquant® Prove 600で検出できます。また、試験方法、ロット番号、有効期限、およびキャリブレーション更新を自動的に検出するLive IDコードを使用しているため、分析と文書作成が効率化されます。

携帯型比色計による現場での分析

携帯型装置の利便性が重要なことがよくあり、特に現場で消毒管理を行う場合には最適です。Spectroquant® Move比色計は、サンプルを採取した場所ですぐに分析できる携帯型装置です。

Spectroquant<sup>®</sup> Move消毒管理用比色計

Spectroquant® Move消毒管理用比色計

これらの装置は堅牢であり、IP68規格に準拠した防水性を有するため、湿気や埃のある環境での使用に適しています。また、迅速に結果が得られ、使いやすさも優れています。Spectroquant® Move 100は、100を超えるパラメータを予めプログラムして使用できる汎用性に優れたデザインとなっています。一方で、Spectroquant® Move DCは消毒管理のために特別にデザインされた装置で、塩素、オゾン、二酸化塩素、シアヌル酸およびpHといった重要な5種類のパラメーターを測定できます。

テストストリップ法による消毒管理

湿式化学の代替法に、消毒剤テストストリップの使用があります。ここで説明するいずれの方法も、現場で実施できるという、Spectroquant® Move比色計と共通する長所を有します。さらに、テストストリップ分析は、現場での液状化学品の取り扱いやガラス容器の使用が不要なため安全性が向上します。場合によっては、これは消毒管理手順の選択における重要な要素となります。

テストストリップによる反射光分析

Reflectoquant®テストストリップとRQflex® 20反射率計による読み出しを用いた消毒管理は、現場で行うことができ、実施が容易で、廃棄物がほとんど生じず、定量的な結果が得られるため、魅力的な選択肢となる可能性があります。また、バッチに固有のキャリブレーション情報がバーコード化されているため、優れた正確度と精度が得られ、また結果のトレーサビリティが確保される利点もあります。テストストリップは23種類のパラメータに使用でき、食品・飲料業界で一般的に調査される化合物がポートフォリオに含まれています。

RQflex<sup>®</sup> 20消毒管理用反射率計

RQflex® 20消毒管理用反射率計

テストストリップ単独による方法

カラーチャートとテストストリップを比較する目視テストも、半定量的な消毒管理のための選択肢です。このタイプの分析にはMQuant®テストストリップ製品ラインを使用でき、ここで説明する方法の中で最も経済的であるという利点があります。テストストリップには、分析を行うための装置が一切必要なく、従って電気が不要であるという利点もあります。MQuant®テストストリップは堅牢で、使いやすいうえ、安全です。

消毒管理にも使用できるMQuant<sup>®</sup>テストストリップ

消毒管理にも使用できるMQuant®テストストリップ

精度向上のため、および結果の文書化とトレーサビリティを確保するために、必要に応じてスマートフォンアプリのMQuant® StripScanを使用して色の比較が行えます。

 

一般的な消毒剤の詳細

過酢酸

過酢酸は、飲料水ボトルの消毒や製造中の表面消毒によく使用されます。滴定による測定が複雑で、ガラス器具を要する数多くのステップがあります。また時間もかかり、各測定に約15分を要します。

これに対してMQuant®テストストリップは、1分以内で半定量的結果を提供できるため、分析時間が大幅に短縮されます。定量的で文書化された結果が得られるReflectoquant®テストストリップを用いれば、ほんの少数の簡単なステップにより同程度の短い時間で結果が得られます。

過酸化水素

食品および飲料の製造によく使用される別の消毒剤に、過酸化物があります。このレベルの検査は、Spectroquant®製品ラインに加えてテストストリップでも行えます。テストストリップは、RQflex® 20反射率計との併用と、単独のMQuant®法のいずれにも対応可能です。いずれの方法も、複数の異なる濃度範囲に対応しています。

オゾン

オゾンは強力な抗酸化物質であり、消毒剤としても使用されます。オゾンの定量的測定には、Spectroquant®テストキットを使用できます。または、MQuant®迅速液体テストキットと、カラーカードまたはカラーディスク比較器との併用により、オゾン濃度を測定することもできます。

塩素

塩素は、水中の細菌やその他の微生物を迅速に撲滅できることから、食品・飲料業界で使用されています。特に、飲料水の殺菌と野菜の洗浄に使用されています。定量的な塩素検査にはSpectroquant®キットが使用でき、半定量的な結果を迅速に得るにはMQuant®テストストリップおよび迅速液体テストが使用できます。

消毒管理に関する資料について詳しくは、SigmaAldrich.com/disinfectioncontrolをご覧ください

関連製品

装置
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