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ホーム1分子カウント(SMC®)技術SMC®イムノアッセイワークフローをHamilton Microlab™ STARletワークステーションで自動化する方法

SMC®イムノアッセイワークフローをHamilton Microlab™ STARletワークステーションで自動化する方法

高感度SMC®イムノアッセイワークフローをHamilton Microlab STARletリキッドハンドリングワークステーションで自動化することにより、マニュアル処理に伴うエラーとばらつきの原因を排除し、バイオマーカー定量のための堅牢かつ高感度で再現性に優れた方法が可能になります。結果の解釈など価値の高い業務にマニュアル作業を集中させることができます。以下をご覧ください。

高感度検出技術による低レベルサイトカインの定量

サイトカインは、免疫系を仲介および調節するシグナル伝達分子です。免疫および炎症反応を調節するインターロイキンと適応免疫に関与するインターフェロンは、人体に低レベルで存在することから、従来のELISAやリガンド結合アッセイでは特に測定が困難なサイトカインカテゴリーです。

1分子カウント(SMC®)技術は、これらの低レベルのサイトカインを定量するための道を拓きます。SMC®技術は、従来のELISAと同様の手法で、バックグランドシグナルを低減し、検出シグナルを増加させます。このプロセスでは、溶液中のターゲットアナライトが、抗体の結合したプレートまたは磁気マイクロビーズに捕捉されます。次に、蛍光標識した検出抗体を免疫複合体に添加し、各バイオマーカーをシグナルに変換します。改良された溶出ステップでは、結合した抗体が免疫複合体から放出され、標識した1分子の蛍光シグナルがSMCxPRO®またはErenna®システム(販売終了)によって検出されます。検出された総シグナルが、バイオマーカーレベルを直接示すものとして算出されます。検出限界は1 fM未満です(蛍光標識した150 kDの抗体0~300 fMのキャリブレーターセットから決定)。

イムノアッセイワークフローの自動化の利点

SMC®イムノアッセイをマニュアルで行う場合、労力を要することがあります。そのため、研究者は結果の解釈などの価値の高い業務に集中できなくなり、ラボ全体の効率が低下します。さらに、マニュアルによる方法では、オペレーターのミスやユーザー間およびアッセイ間のばらつきが生じるリスクがあります。イムノアッセイワークフローの自動化により、これらのリスクやばらつきが低減され、研究者は価値の高い業務に集中できるようになります。

SMC®イムノアッセイワークフローの自動化

SMC®イムノアッセイをHamilton Microlab STARletリキッドハンドリングワークステーションと統合すれば、マニュアル作業不要の自動化されたアッセイ対応ワークフローを実現できます。このシンプルな自動化ワークフローは、以下のとおりです。

  • サンプル/試薬のピぺッティング
  • インキュベーション
  • 洗浄
  • 標識抗体の添加
  • 新しいプレートに移す
  • 溶出バッファーの添加
  • 検出プレートに移す

STARletワークステーションは、最大4つの独立した空気置換式ピぺッティングチャネルを搭載し、試薬のクロスオーバーのない高い精度と信頼性を実現します。Compressed O-Ring Expansion(CO-RE)技術は、機械的な力を用いずに使い捨てチップとピペッティングチャネルマンドレルとの間に高気密性のシールを形成し、サンプルの保護と完全性を最大化するとともに、正確で再現性の高い液体分注を実現します。バーコードを読み取ることで、サンプルの完全な追跡が可能になり、サンプルの取り扱いミスやマニュアル作業による文書作成ミスのリスクが排除されます。2台のELx405™ HTマイクロプレートウォッシャー(BioTek Instruments、Winooski、VT)と4台の加熱シェーカーをSTARletワークステーションに組み込むことにより、ワークフローの効率と利便性が向上します。

最終的には、操作を容易にし、オペレーターの介入を最小限に抑え、また入力エラーを低減するために、STARletソフトウェアにSMC®ワークフローステップをあらかじめプログラムすることで標準化ソリューションを作成しました。このアッセイ対応の自動化ワークステーションは、血漿サンプルとコントロールを使用して、マニュアル法と同等の結果を示すとともに、アッセイの再現性を最大化し、作業時間を短縮し、マニュアル作業によるエラーとばらつきのリスクを排除します。

材料と方法

自動化およびマニュアルワークフローの比較を、SMC®Interleukin 6 (IL-6) Immunoassay KitSMC® Tumor Necrosis Factor (TNF-α) Immunoassay Kit、およびSMC® Interleukin 1-β (IL-1β) Immunoassay Kitを使用して行いました。各アッセイは、以下のプロトコルに従いました。

スタンダード・サンプル・コントロールの調製

以下に従い、標準曲線をマニュアルで作成しました。

  • IL-6スタンダードタンパク質を融解してから、Standard Diluentで100 pg/mLに希釈して最高濃度のスタンダードを作成し、続いて0.1 pg/mLになるまで2倍で10段階に希釈した。
  • TNF-αスタンダードタンパク質を融解してから、Standard Diluentで200 pg/mLに希釈して最高濃度のスタンダードを作成し、続いて0.31 pg/mLになるまで2倍で10段階に希釈した。
  • IL-1βスタンダードタンパク質をStandard Diluentで50 pg/mLに希釈して最高濃度のスタンダードを作成し、続いて0.05 pg/mLになるまで2倍で10段階に希釈した。

各標準曲線にはゼロブランクも含まれています。

5名の健常者のヒトK2 EDTA血漿サンプル(BioreclamationIVT P/N HMPLEDTA2、Westbury、NY)および3つの血漿コントロールをテストしました。3バイアルの各サンプルと血漿コントロールを融解し、軽く混合し、各キットプロトコルに従って96ウェル、1.2 µm Durapore®メンブレンフィルタープレートでろ過しました。

SMC®イムノアッセイワークフロー

各自動化アッセイのタイプにつき、4列 Pyramid Bottom 292 mL High Profile Reagent Reservoir(E&K Scientific、P/N EK-2216)をアッセイ専用の試薬とともにSTARletワークステーションにセットしました。300 µL導電性フィルターなしCO-REチップ(Hamilton、P/N 235950)を使用して、ウェルあたり合計100 µLのマイクロビーズを4つの96ウェルV底ポリプロピレンマイクロプレート(E&K Scientific、P/N EK2470、Santa Clara、CA)に添加してから、100 µLの各12点の標準曲線タンパク質をtriplicateで添加しました。

各アッセイキットにつき、100 µLのサンプルまたは血漿コントロールを4つのマイクロプレートのそれぞれに添加しました。次に、マイクロプレートをSTARlet上で25°Cで2時間、振とうしながらインキュベーションし、ターゲットのバイオマーカーを結合させました。続いて、アッセイプレートをマイクロプレートウォッシャーに移し、マイクロビーズをマグネットに保持して未結合の材料を1回の洗浄ステップで除去しました。洗浄後、50 µL導電性フィルターなしCO-REチップ(Hamilton、P/N 235947)を用いて20 µLのAlexa Fluor 647標識検出試薬をウェルに添加し、マイクロプレートを1時間インキュベーションしてマイクロビーズに捕捉されたアナライトに結合させました。

インキュベーション後、アッセイプレートを再度マイクロプレートウォッシャーに移し、マイクロビーズをマグネットに保持して4回洗浄し、未結合の検出試薬を除去しました。次に、非特異的にプレートに結合した検出試薬を溶出しないように、マイクロビーズを96ウェルアッセイマイクロプレートから新しいマイクロプレートへ自動化で移しました。続いて、ターゲットアナライトに特異的に結合した検出試薬を溶出し、384ウェルポリプロピレンマイクロプレート(ThermoFisher Scientific P/N 264573、Waltham、MA)に移しました。384ウェルマイクロプレートをマニュアルでErenna®システム(販売終了)に移し、検出を行いました。SMCxPRO®システムでプレートを読み取ることも可能です。

全体のワークフローをマニュアルでも行い、1アッセイにつき1マイクロプレートを使用しました。

データ解析では、次の3種類のシグナル出力をErenna®システム(販売終了)から取得しました:検出イベント(DE、ローエンドシグナル)、イベントフォトン(EP、ローエンドおよびミッドレンジシグナル)、およびトータルフォトン(TP、ハイエンドシグナル)。SgxLink™アルゴリズムを使用して、未知の濃度を標準曲線から補間しました。イムノアッセイワークフローに対する自動化であるため、第2世代SMCxPRO®システムでも同じように問題なく使用できます。

自動化の結果

マニュアルで処理した1つのマイクロプレートと、STARletリキッドハンドリングシステムで自動化処理した4つの複製マイクロプレートから得られたデータを用いて、各タンパク質スタンダード濃度の補間平均値を算出して標準曲線としてプロットしました。次に、マニュアルおよび自動化で処理した各サンプルとコントロールの補間平均値を標準曲線に対してプロットしました。

マニュアルと自動化の結果を比較すると、自動化で生成されたアナライト濃度、SD値、およびCV値はすべて手動で生成された値と同等でした。IL-6およびTNF-αアッセイでテストしたすべてのサンプルでは、アッセイの感度を大きく上回る補間値が得られました。ヒトサンプル中のIL-6およびTNF-αタンパク質濃度は、一般に高く、アッセイ結果はSMC®アッセイの定量下限(LLOQ)をはるかに上回ります。しかし、ヒトサンプル中のIL-βタンパク質濃度は、非常に低いことがわかっており、IL-βアッセイの結果はアッセイのLLOQ(0.2 pg/mL)に近いか、それを下回ります。それでも、定量化できたサンプルは、Hamiltonの自動化とマニュアルのアッセイ間で良好な相関を示しました。

IL-6の結果

血漿およびコントロールサンプルのいずれの測定においても、マニュアルと自動化の間でIL-6の傾きは1に近く、強い相関があることが示されました。血漿およびコントロールサンプルのいずれにおいても、自動化で得られた4つのプレートの各補間IL-6値はほぼ同等でした。

LLOQは0.08 pg/mLでした。表1のデータを参照してください。

表1.血漿サンプルを用いたIL-6アッセイのマニュアル処理と自動化処理の比較

TNF-αの結果

血漿およびコントロールサンプルのいずれの測定においても、マニュアルと自動化の間でTNF-αの傾きは1に近く、強い相関があることが示されました。血漿およびコントロールサンプルのいずれにおいても、自動化で得られた4つのプレートの各補間TNF-α値はほぼ同等でした。

LLOQは0.2 pg/mL、LODは0.05 pg/mLでした。表2のデータを参照してください。

表2.血漿サンプルを用いたTNF-αアッセイのマニュアル処理と自動化処理の比較

IL-1βの結果

血漿およびコントロールサンプルのいずれの測定においても、マニュアルと自動化の間でIL-1βの傾きは1に近く、強い相関があることが示されました。シグナルがLLOQを下回ったサンプルは、そのようにリストに示しています。

LLOQは0.2 pg/mL、LODは0.1 pg/mLでした。表3のデータを参照してください。

* < LLOQ — 補間サンプル値が定量下限0.20 pg/mLを下回る

表3.血漿サンプルを用いたIL-1βアッセイのマニュアル処理と自動化処理の比較

まとめ

SMC®技術を用いたSMCxPRO®およびErenna®システムにより、インターロイキンやインターフェロンなどの確立された疾患バイオマーカーの極めて低レベルの変化を検出およびモニタリングできます。このアッセイ技術をMicrolab STARletワークステーションを用いて自動化ワークフローとして統合すると、得られた結果はマニュアルによる結果と同等であり、メーカーが規定した許容範囲内でした。自動化ワークフローによって、マニュアル処理によるエラーやばらつきのリスクを排除することができ、研究者は価値の高い業務に集中できるようになります。

これは、Hamilton Company in Reno, NV, USAとのコラボレーションの一貫として実施されました。データは、E. Bradley Meyer, B.S.およびKevin W.P. Miller, Ph.D.から2019年に提供されました。

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