受託ポリクローナル抗体作製:よくあるお問合せ(FAQ)
ペプチド合成から抗ペプチドポリクローナル抗体作製までの一貫サービスはありますか?
ウサギ以外の動物を利用できますか?
ニワトリIgY抗体を作製してもらえますか?
免疫期間および延長の有無を教えて下さい。
ELISAは標準で付きますか?
MAPs(Multiple Antigenic Peptides) とは何ですか?
キャリアタンパク質には何がありますか?
キャリアタンパク質への結合方法には何がありますか?
抗体の精製方法には何がありますか?
力価が上がらない、あるいは、力価が高いにもかかわらず実サンプルに使用できない場合、どのような対応をしてもらえますか?
抗体製品の保存温度はどうしたらいいの?
配列デザインの際、何を基準に選定していますか?
ペプチドには必ずキャリアタンパクを導入しなくてはいけませんか?
Q1. ペプチド合成から抗ペプチドポリクローナル抗体作製までの一貫サービスはありますか?
A1. はい、ございます。「抗原部位デザイン」「ペプチド合成」「キャリアコンジュゲート」「SPFウサギ1羽免疫」 抗体作製に必要な4つのサービスをオールインワンでパッケージした「シンプル抗体作製サービス」をご用意しております。免疫計画などをご自分でカスタマイズしたい場合は、「フレキシブル抗体作製サービス」をご利用下さい。
A2. はい、ご利用可能です。「フレキシブル抗体作製サービス」をご利用下さい。他にマウス、ニワトリ、ラット、モルモット、ヤギ、などからお選びいただけます。
A3. はい、いたします。「フレキシブル抗体作製サービス」をご利用下さい。ニワトリIgY抗体の場合、下記のようなメリットがあります。
- 哺乳類と系統が離れているので、哺乳類に保存性が高い配列でも、高力価の抗体を産生できる可能性が高い。
- 卵黄より大量のIgY抗体を採取可能。
A4. 免疫期間は「スタンダード抗体作製サービス」では、49日 / 77日、「シンプル抗体作製サービス」では77日となります、延長はできません。「フレキシブル抗体作製サービス」では免疫期間をご自由に設定できます。中間採血時の力価を見て免疫期間を延長することも可能です。延長のご指示は最終採血予定の7日以前までに必要です。免疫スケジュールは宿主動物の健康状態によって中断、または免疫作業のスキップをする場合があります。この場合は、作業報告書においてご報告いたします。
各種サービスの免疫スケジュール
A5. 「シンプル抗体作製サービス」、「フレキシブル抗体作製サービス」いずれにおいても、標準サービスとなります。シンプル抗体では最終採血時、フレキシブル抗体では中間採血時および最終採血時にELISAを行います。オプションで追加ELISAを承ることも可能です。
Q6. MAPs (Multiple Antigenic Peptides) とは何ですか?
A6. Lys 7個よりなる骨格に計8個の目的ペプチド(20merまで。21mer以上は、4-branch MAPsになります)を導入します。キャリアタンパク質に結合させる必要がないため、1)高濃度な抗原が得られる、2)キャリアタンパク質に対する抗体ができない などの長所がある反面、抗体価の上昇が著しく低い場合がある等の欠点もあります。Lysコアに合成されたペプチドには、完全長のもの、合成が途中で止まったものなど様々なものを含みますので、精製は脱塩のみでHPLC精製およびMS分析を行うことはできません。そのため、MAPsでの免疫は、通常お奨めしておりません。したがいまして、弊社抗体作製サービスにおけるELISAでの製品保証の対象外となります。何卒、ご容赦下さい。
A7. 標準でKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)、あるいは、BSA(Bovine Serum Albumin)からご指定いただけますが、抗原性刺激の強いKLHをお奨めします。ブロッキング試薬にBSAを用いる実験系では、キャリアタンパク質にBSAを選ぶことはできません。また、他のキャリアタンパク質を選択することも可能です。詳しくは、お問い合わせ下さい。
A8.標準でMBS法 (m-Maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester)およびEDC法(1-ethy-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide hydrochloride)からご指定いただけます。 MBS法ではカップリングにSH基を利用しますので、シーケンス中にCysが含まれていない場合は、N-末端またはC-末端にCys残基を導入します。可能であればN-末端側に導入することをお勧めいたします。その理由は、
- Cys をC-末端にして化学合成する場合、ラセミ化防止のための特殊なレジンを使用しなければならず、コスト高や収量の低下などの問題が生じやすい。
- N-末端にCys を導入するようにデザインされたペプチドをMBS 法でコンジュゲートすることにより、不完全長のペプチドはキャリアタンパク質と架橋反応が起きない、等によります。
EDC法は、カルボジイミドにより活性化された、ペプチドのC-末端のカルボキシル基がキャリアタンパク質の一級アミンと反応します。ペプチドにAspやGluが含まれていると、これらの側鎖と副反応を引き起しますので、酸性アミノ酸が多く含まれているペプチドにはEDC法は不向きであると言えます。
クリックケミストリー法
配列内部にCysがある場合、結合効率が良いMBS法ではすべてのCysに結合し抗原全体がマスクされるため、不向きとなっております。代わりの方法といたしまして、クリックケミストリー法がございます。
価格と納期につきましては、E-mail(genosysjp.order@merckgroup.com)までお問い合わせ願います。
A9. 各種精製オプションを取り揃えております。
- 精製後の抗体は、不安定になることがありますので、いずれの方法も一度に全量を精製することはお勧めいたしません。
- 精製後の抗体はBSAなどを安定剤として加えることが有効な場合があります。
Q10. 力価が上がらない、あるいは、力価が高いにもかかわらず実サンプルに使用できない場合、どのような対応をしてもらえますか?
A10.Sigma-Aldrichで行っております抗体作製サービスでは、通常高力価の抗血清が得られますが、ごく稀に宿主動物の体調などにより高力価が得られない場合がございます。弊社でデザイン・合成されたペプチド抗原を用い、著しく低力価の抗体の場合に製品保証いたします。ポリクローナル抗体作製サービスの製品保証の詳細はテクニカルサービスまでお問い合わせください。
高い力価が得られているにもかかわらず、実サンプルに反応しない場合は、抗原としたペプチドに対する抗体は正しく作製されたが、選択した抗原配列が実サンプルのエピトープと一致していなかったということが考えられます。この場合は、保証の対象外となります。
A11. Sigma-Aldrichでは、輸送中および長期保存時の血清の品質劣化を防ぐために、防腐剤としてプロクリンを添加した生血清状態でのお届けを標準としています。
精製済みの抗体(ペプチドカラム精製、ProteinA/G精製等オプション)につきましては、50%グリセロール、0.05%プロクリン(プロクリン 300 15ppm)で発送しています。
到着後は、直ちに小分けし、-20℃または-70℃にて保存をお願いいたします。
A12. 弊社の抗原ペプチド設計のバックグラウンドは、親水性が高く、二次構造予測からターンしていそうな部位抗原性、ペプチド合成上のリスク、他タンパクとの相同性等を元にまた、各データデースからの情報をもとに総合的に判断しております。
Q13. ペプチドには必ずキャリアタンパクを導入しなくてはいけませんか?
A13. ペプチドのままですと、免疫原としては分子量が小さいので認識されないケースが多くなります。そのため、KLHやBSAなどのタンパクとコンジュゲーションすることで抗原刺激を与え、抗原として認識されやすくします。
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